【追悼】ロブ・ライナー監督/名匠が辿った半生と『スタンド・バイ・ミー』Vol.1

昨年末、衝撃的なニュースが飛び込んできた。長年に渡って数多くの名作を生み出してきた映画監督のロブ・ライナーが、妻のミシェルと共にナイフで刺され、遺体となって発見されたのだ。その上、容疑者として逮捕されたのが実の息子だというのも更なる激震をもたらした。親子の間に何があったのか。それはいまだ完全には解明されていない。だが関係者の誰もが口を揃えて言うのは、「ロブほど素晴らしい人はいない」ということだ。 ずんぐりむっくりなクマさんのように包容力があって、人懐っこいヒゲと笑顔をトレードマークに、数々の名作で映画ファンの青春を彩り、なおかつ社会的にも他者への愛を持って発言や活動を続けてきたライナー。彼ほど広く多くの人に信頼され、愛された映画人は他にいなかった。 ショウビズ一家で自ずと培われた才能 彼は1947年、ニューヨークのユダヤ人家庭に生まれた。父はコメディアン、俳優、監督として知られるカール・ライナーで、母のエステルは女優でありジャズ歌手。絵に描いたようなこの芸能一家の自宅には、メル・ブルックス、シド・シーザー、ニール・サイモンなどの錚々たる顔ぶれが訪れ、ロブ少年は幼い頃からこういったレジェンドたちと直に触れ合う機会を得ながら成長していった。 やがて家族はロサンゼルスへ転居。14歳でテレビドラマに出演して以降、俳優としてのキャリアを始動させたロブは、UCLAに2年間だけ在籍したのち、即興劇団で研鑽を続けながら、徐々に活動の幅(脚本、演出など)を広げていく。出演したTVドラマは数知れず。とりわけ1970年代に放送されたシットコム『オール・イン・ザ・ファミリー』で演じた役柄は多くの視聴者に愛され、ロブ・ライナーという名を一気に全国区へ押し上げた。

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