小学生をはね、高校生をひき逃げ、その後も無免許運転…75歳男に懲役3年2か月の実刑判決 小学生は約2か月間意識不明、今も上下肢機能に制限・経管栄養・音声発語もできず 任意保険未加入…「金銭的な賠償はできない」【判決詳報・後編】

2026年1月14日、鳥取地方裁判所は、過失運転致傷やひき逃げなど複数の罪に問われた鳥取県伯耆町の無職の男(75)に対し、懲役3年2か月の実刑判決を言い渡した。 裁判所は、重大な人身事故を起こした後も短期間に交通違反を重ねた点を「交通法規を遵守して交通の安全を図る姿勢の欠如や自動車運転に伴う責任の自覚の欠如がはっきりと表れており、強い非難に値する」と厳しく断じた。 【判決詳報・前編】から続く。 ■「社会内での更生はできない」 1月14日の判決公判。 鳥取地裁の安西二郎裁判官は、判決の主文で「被告人を懲役3年2月に処する」と宣告した。 量刑理由として、まず2025年3月31日に9歳の児童に重傷を負わせた過失運転致傷事件に言及。 現場は住宅が立ち並ぶ地域の横断歩道であり、被告人はその存在を知りながら「横断歩行者はいないと思い込んでその有無に注意せず、時速約40キロメートルで走行したまま減速もせず、衝突して初めて被害者の存在に気付いた」と指摘し、その過失は重大であると認定した。 被害を受けた当時9歳の児童は、「びまん性軸索損傷、外傷性くも膜下出血、急性硬膜下血腫、嚥下障害、四肢麻痺等の傷害を負って、一時は生命が危ぶまれる状態に陥った」「現在も上下肢の機能が大きく制限され、栄養はほとんど経管で賄われ、音声の発語はほとんどできず、日常生活のほとんどで介助が必要な状態」で、今後の回復も不透明。 裁判所は「被害者のこれからの長い人生に対する影響は甚大であるだけでなく、その家族の心痛や生活への影響も大きい」とし、被告人が任意保険に未加入で何ら賠償もしておらず、誠意ある対応をしていない点を非難した。 さらに、この事故で逮捕・釈放された当日である同年4月3日、無登録・無保険の別の車を運転して自転車と衝突し、15歳の少年を負傷させたにもかかわらず救護せずに逃走した点を「犯行動機に何ら酌むべき点がない」と断じた。 その後、運転免許を取り消されたにもかかわらず、5月7日から11日にかけて3回にわたり無免許運転を繰り返した常習性も悪質であると評価。

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