「若手スカウトの間では崇拝対象」“生ける伝説”だった小畑容疑者のカリスマぶりと組織の今後

1月27日の夕方6時すぎ。警視庁板橋署に1台の黒いワンボックスカーが到着した。イカつい風貌の捜査員が座った運転席と助手席の間から、後ろの座席中央に黒いフードを被った人物が上体を伏せているのが見える。 車が停車し、後部のスライドドアが開いて姿を現したのは、黒いパーカーにグレーのスウェットパンツ姿の人物だった。フードを深く被っており、顔はまったく見えない。カメラのフラッシュの中を歩くときも、フードの先端部分を片手で下に引っ張り、意地でも顔を見せまいとしていた。それは1500人のメンバーが所属する国内最大のスカウトグループの“伝説のトップ”らしからぬ惨めな姿だった──。 『ナチュラル』のトップである小畑寛昭容疑者(40)が潜伏先の奄美大島で逮捕されたのは26日のことだった。’23年7月に東京・渋谷の路上で暴力団員にみかじめ料60万円を払った東京都暴力団排除条例違反の容疑だ。 小畑容疑者には’25年1月に警視庁がナチュラルを一斉捜索した際に逮捕状が出ていたが、逮捕直前に都内・港区の自宅周辺で姿が確認されたのを最後に行方をくらましており、逮捕できなかった。警察が今年の1月21日に公開手配したところ、30件ほどの情報が寄せられたという。 「顔写真の公開後、23日に『奄美のほうに似た人物がいる』という情報が寄せられ、警視庁は10名の捜査員を派遣、防犯カメラ映像などを見て小畑容疑者に間違いないと確認したそうです。 夜の8時ごろに捜査員がコンビニで似た人物を発見。複数人で声をかけると、小畑容疑者は暴れて逃げるそぶりをみせましたが、自分が小畑寛昭であることを認めたために逮捕したそうです。そのときの姿は手配写真とは違って髪や髭が伸びており、黒メガネもかけていました。 その後の捜査で発見場所から数百mの場所にあるホテルを昨年12月21日から今年の2月3日まで予約し、料金を現金で先払いしていたこともわかりました。警視庁では関西や九州などを転々として逃亡中も趣味のサーフィンや筋トレをしていたとみています。また、宿泊していた部屋の金庫からは逃走資金とみられる170万円の現金が見つかっています」(全国紙社会部記者) 警視庁は’22年12月に反社会勢力である違法スカウトグループ壊滅のために、部門を越えた捜査チームを設置。ナチュラルに対しては’25年1月27日にトップも含めて一網打尽にするべく都内数十ヵ所の一斉捜索を行っている。しかし、前述の通り小畑容疑者を取り逃がしてしまうという結果に終わった。捜査員が行動確認をしていたにもかかわらず、一斉捜索の数日前に姿を消したのだ。 この件については「捜査員の1人から情報が漏れた」という話がスカウト業界でもささやかれていた。昨年11月には捜査チームの一員だった暴力団対策課の警部補(43)が別件でナチュラルに情報漏洩をした容疑で逮捕されており、関与が疑われている。 警視庁が血眼で追い続けた小畑とはどういう人物なのか。裏社会ジャーナリストの石原行雄氏は「若いスカウトたちに聞くと崇拝対象のような存在」と語る。

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