ラトニック米商務長官、「エプスティーン島」訪問を認める

アメリカのハワード・ラトニック商務長官は10日、同国で性犯罪で有罪とされた富豪ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)の所有するいわゆる「エプスティーン島」を2012年に訪れたと認めた。連邦議会上院委員会でのこの証言は、元被告が有罪判決を受けた何年も前に関係を絶ったとする、これまでの自分の主張と矛盾する内容だった。 上院歳出委員会の小委員会に出席した商務長官は、「家族旅行でボートで向かう途中、私は彼と昼食を取った」と証言した。「妻も一緒で、4人の子どもたちと子どもたちの世話係もいた(中略)私たちは島で昼食を取った。それは事実だ。1時間のことだった」。 ラトニック長官の「エプスティーン島」訪問に関するメールのやり取りは、米司法省が1月末に追加公開したエプスティーン元被告の関連資料に含まれていた。 連邦議会では、一部の議員がラトニック長官の辞任を求めている。しかし、ホワイトハウスは同日、ドナルド・トランプ米大統領は長官を全面的に支持していると述べた。 ラトニック商務長官はかつて議会に対し、エプスティーン元被告とは2005年に関係を絶ったと話していた。ニューヨーク市内でラトニック氏の近所に住んでいたエプスティーン元被告が、自宅の一室になぜマッサージ台を置いているのかについて、性的な含みを込めて説明したため、絶交したのだという。 長官は10日、「その後の14年間で、彼と会ったのは私が覚えている限り2回だけだ」と議会委員会で述べた。 司法省の資料によると、ラトニック氏は2012年12月23日にカリブ海にあるエプスティーン元被告所有の島を訪れていた。元被告が未成年者を売春に勧誘した性的虐待罪で有罪判決を受けてから、4年後のことだ。 エプスティーン元被告は2019年8月、性的人身売買罪で裁判を待つ間に、ニューヨークの拘置所で死亡した。2005年に14歳の少女の両親がフロリダ州で警察に通報したことを受け、元被告は2008年には、少女に対する性的虐待罪で起訴され、司法取引を通じて有罪判決を受けていた。2019年7月には性的人身売買容疑で逮捕・訴追された。 ラトニック長官は10日の議会証言で、「エプスティーン島」訪問を公の場で初めて認めた。 「なぜそうしたのかは覚えていないが、そうしたのは事実だ」。長官は昼食について、こう述べた。 エプスティーン文書に名前が含まれていても、それ自体が不法行為を示すものではない。ラトニック氏は、エプスティーン元被告に関する不正行為について、疑惑の対象になっていない。 長官がカリブ海の島以外で元被告に会ったのは、その1年半後のことで、元被告とは1時間にわたり話をしたと長官は述べた。 ラトニック氏はまた、司法省が公開した膨大な量のエプスティーン文書の中で、自分と元被告を結びつけるメールは約10通にすぎないと指摘した。 「14年もの間、私は彼と関係を持っていなかった。その人物とはほとんど関わりがなかった」と長官は強調した。 委員会のクリス・ヴァン・ホーレン上院議員(民主党、メリーランド州選出)は、長官の説明が相反する点について追及した。 「問題は、あなたがジェフリー・エプスティーンとの関連で何か不正行為を行ったかどうかではなく、あなたが議会とアメリカ国民、そして彼の忌まわしい犯罪行為の被害者に対して、自分と彼の関係の程度を完全に誤って話してきたことだ」と、議員は述べた。 エプスティーン元被告に関する司法省の捜査資料の公開は、昨年11月に成立した連邦法で公開が義務付けられた。350万ページを超える資料では、ラトニック長官以外にも多数の著名人の名前が挙がっている。 関係を絶ったと長官が説明していた時期より何年も後に、「エプスティーン島」を訪れていたことが明らかになり、与野党両党から長官辞任の要求が上がっている。 司法省にエプスティーン文書の公開を義務付けるよう昨年に法案を共同提出した民主党のロー・カンナ下院議員と共和党のトーマス・マッシー下院議員は、2人ともラトニック氏の辞任を求めている。 カンナ議員とマッシー議員は、司法省の情報開示を要求し続けている。内容が黒塗りされていない資料を閲覧したカンナ議員は10日、公開文書で不適切に黒塗りにされたとする6人の名前を明らかにした。マッシー氏は、その6人は「文書に名前があることで有罪となる可能性が高い」と述べた。 BBCは、その6人にコメントを求めている。 ラトニック長官が議会で証言していた同じ頃、エプスティーン元被告の被害を生き延びたサバイバーたちは議会の別の場所に集まり、「ヴァージニア法」と呼ばれる新法案を発表した。法案は、性虐待の被害者が民事訴訟を起こす際の時効撤廃を目的としている。 この法案は、エプスティーン元被告の被害者として広く知られ、2025年に自死したヴァージニア・ジュフリー氏にちなんで名付けられた。 ジュフリー氏の義理の妹、アマンダ・ロバーツ氏は、ジュフリー氏が時効撤廃を願っていたと話した。 「まるで時がたてば被害が消えるかのようにサバイバーを扱う、そんな法律はもういらない」とロバーツ氏は述べ、「ヴァージニア法を可決してほしい」と訴えた。 (英語記事 Under-fire Trump commerce secretary confirms he visited Epstein's island)

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