「エース」調査員の放火・詐欺事件、損保リサーチがおわび公表 社内調査は「問題なし」

元保険調査員の男らが全国で起こした連続放火・詐欺事件で、男が過去に在籍していた業界最大手の保険調査会社「損害保険リサーチ」(東京)が2日、ホームページ(HP)におわびを掲載した。同社が事件への対応を公表するのは初めてだが、在籍時の男の業務については「不正は確認されなかった」とした。 男は深町優将被告(54)で、非現住建造物等放火と詐欺の罪などで起訴されている。起訴状によると共謀し、令和4~5年にかけて岡山、青森、岐阜の3県と北海道で空き家などに放火。だまし取った保険金や共済金は計約1億2800万円に上るとされる。被告を火災調査分野の「エース」と呼ぶ声もあり、起訴された4件中2件は同社在籍時の事件だった。 同社はこの日、HPに「元社員の事件に関する弊社の対応について」という1枚の文書を掲載し、「関係者に多大なご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」と謝罪。事件は「業務外に発生した」と断った上で、同社が社員にヒアリング調査をしたり、調査委託元である保険会社が被告の調査を再点検したりした結果、業務上の不正はなかったとした。 同社は大手損保各社の共同出資で設立されている。 昨年4月に被告が逮捕されて以降、同社は当初「事件は退職後に発生したもの」として対外的な説明は行ってこなかったが、この日の文書では、「一部が弊社在籍中に発生したことが確認されております」と説明した。 逮捕以降、現場の調査員らは外部から事件について説明を求められるなど「肩身の狭い思い」をしてきたといい、「おわびは逮捕当初に出すべきだった」と憤る声もある。ある調査員は「公表された文書を見ても調査の具体的な内容が分からない。社員に対しても説明すべきではないか」と訴えた。 同社は社内に保存されていたデータや、在籍していた部署の全社員に対するヒアリング調査を行ったとしている。別の調査員は、これまで社内では事件に関して「箝口(かんこう)令」が敷かれていて会社の動きは分からないとしつつ、「社内調査は知らない。本当にしたのか」と漏らした。(倉持亮)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする