宗教法人の清算手続きはどう進むのか オウムとの違いは? 後継は?

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散手続きはどのように進められるのか。 文化庁宗務課によると、宗教法人法に従い、文部科学省による解散命令請求先の東京地裁が速やかに清算人を選任する。 解散命令決定をもって教団の代表役員らは解任となるが、法人税などの税制優遇は清算の完了まで続く。土地などの固定資産税の非課税措置については市町村が判断する。 清算法人を指揮する立場の清算人は法人の全財産を管理・処分する権限を持つ。選任後に財産状況を把握しつつ、被害者に対して債権の申し立てを呼びかける公告をし、献金記録などの証拠を基に、弁済に向けた被害認定を進めていくことになる。 2025年10月に文化庁が策定した指定宗教法人の清算に関する指針は、被害把握の手段として被害者向けの相談窓口を設置したり、寄付の記録などから元信者らに弁済を受ける意思があるか個別に問い合わせたりすると例示する。 清算人は破産管財人に近いが、その権限には違いがある。 破産管財人が組織外に置かれ、破産者の財産把握や関係者への調査について破産法に基づく強い権限を有するのに対し、清算人は「清算法人のトップとして会社をたたむ社長というイメージ」(宗務課担当者)。文化庁の指針にも法的効力はない。 清算人の実際の事務は、代理や補助として弁護士や税理士、不動産鑑定士などの専門家の協力を得ながら複数人で進められる見込みだ。 一方で、教団の宗教活動がただちに認められなくなるわけではない。 指針では信教の自由を保障する観点から、清算活動に差し支えない範囲で礼拝施設を使用するなどの行為は認めるとしている。 同じように1996年に解散命令が確定したオウム真理教はどうだったのか。 高裁による解散命令の翌日に清算人として弁護士1人が選任され、約3カ月後に破産手続きに移行した。被害の弁済は済んでおらず、後継団体への財産流出も指摘されている。 旧統一教会の場合、総資産は1000億円以上あり、一定の弁済能力は有しているとみられる。 一方で、旧統一教会は霊感商法を巡って教団傘下の会社の社長が逮捕された09年に解散を想定し、資産を移す先として北海道帯広市に本部を置く宗教法人「天地正教」を指定しており、今後の動向が注目される。 文化庁の担当者は「被害の期間が長く、全国にまたがるような大規模な場合、清算の期間はかなり長くなると想定される」と話す。【西本紗保美】

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