「誘惑に勝てなかった」大麻使用で執行猶予付き有罪判決も、再び麻薬に手を染めた22歳男性の告白

「お世話になった友人や母親の顔が脳裏に浮かんだが、それでも薬の誘惑に勝てなかった」。徳島市出身の男性(22)は昨年4月、大麻を使用した麻薬取締法違反罪に問われ、徳島地裁で執行猶予付きの有罪判決を受けた。しかし再び麻薬に手を染めて12月、県警に逮捕された。勾留されている徳島刑務所で記者の取材に応じた男性は、薬物依存の恐ろしさを語った。 男性が有罪判決を受けたのは、昨年2月に阿波市内の空き家で大麻を使った事件だった。徳島地裁で開かれた公判では「二度と薬物に手を出さない」と誓い、判決確定後の5月から福岡県内の自立支援施設で更生に向けた生活を送ろうとしていた。 しかし、男性はその1カ月後、施設を抜け出した。薬物依存症であるのを他の入所者にからかわれたことに腹を立て、「人間関係が嫌になり離れようと思った」。定期的に通っていた依存症患者による自助グループの集会にも行かなくなり、友人から紹介された仕事をしながら福岡や香川県内で1人暮らしを始めた。 高松市内の溶接工場で働いていた11月ごろ、男性に変化が訪れる。仕事がうまくいかず、残業に疲れてストレスがたまった。「薬で不安を解消したい」。手元に麻薬がなかったため、自宅近くのドラッグストアで風邪薬を購入。錠剤60個を一気に飲むと、大麻と同じような多幸感が得られた。 仕事を終えたらドラッグストアに向かう。そんな生活が続いた。 12月下旬には仮病で仕事を休み、売人から購入したコカインや大麻を徳島市内の商業ビルで使った。すると突然、薬物に手を出したことへの強烈な罪悪感に襲われ、すぐに近くの交番に駆け込んで自首した。 当時の心境を「薬で精神状態が不安定になっていたのか、急に薬物をやめたいと思った」と振り返る。 男性は再び麻薬取締法違反罪で起訴され、徳島地裁で公判が開かれている。執行猶予期間中の再犯のため、実刑が言い渡される可能性は高い。「刑務所に行くことになっても、薬物を強制的に絶つことができるので不満はない。出所後は今度こそ普通な日常生活を送りたい」と語った。 逮捕後、入所していた自立支援施設の職員に施設を抜け出したことを謝罪する手紙を送ったという。職員は男性が薬物依存を克服できるよう、生活面や就職のサポートをしてくれていた。 ただ現在、手紙への返信はないという。

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