世界的なアクションスターとして、今なお目覚ましい活躍を見せるジャッキー・チェン。自身が主演を務める映画「パンダプラン」(2026年日本公開)でも、71歳とは思えないキレのあるアクションを披露している。本記事では、そんな最新作の魅力に迫るとともに、彼がこれまで出演してきた名作の中からおすすめのタイトルを厳選。それぞれのあらすじと見どころを紹介していく。 ■ジャッキー・チェンが本人役を熱演、“日本劇場公開100本目”となる「パンダプラン」 卓越したアクション技術を武器に、エンターテイメント界を牽引してきたジャッキー。7歳で中国戯劇学院に入門し、京劇や中国武術を身に付けると、エキストラやスタントマンとしてキャリアをスタートさせる。さらに「スネーキーモンキー/蛇拳」や「ドランク・モンキー/酔拳」で頭角を現すと、高い身体能力とコミカルな表現力で人気を集め、一躍アジアのアクションスターへと駆け上がった。 そんなジャッキーのスタントマン時代から数え、日本での劇場公開100本目となる記念碑的作品が、2026年1月23日に公開された映画「パンダプラン」だ。本作でジャッキーは本人役を熱演。赤ちゃんパンダの里親として動物園に招かれた彼が、国際的犯罪組織によるパンダ誘拐事件に巻き込まれ、救出のために奔走する姿が描かれる。愛くるしいパンダの姿に癒やされるとともに、年齢を一切感じさせないジャッキーのコミカルなアクションが堪能できる一作となっている。 実はパンダが大好きで、四川大地震の1周年には成都を訪れ2頭のパンダを引き取ったこともあるというジャッキー。監督を務めたチャン・ルアンは、パンダが登場するクンフー映画の台本を作成中にジャッキーと出会い、意気投合したことで製作に至ったそうだ。作中で登場するパンダはCGで製作されているものの、俳優たちは事前にパンダの生態などを学び撮影に挑んでおり、その徹底した準備と高いCG技術が融合したリアルな描写にも注目だ。 ■水上警察×陸上警察×盗賊の異色タッグで海賊に挑む「プロジェクトA」 ジャッキーの代表作を語るうえで欠かせない作品が、自ら監督や主演などを務めた傑作アクションコメディ映画「プロジェクトA」(1984年日本公開)だ。 物語の舞台は、20世紀初頭の香港。青年警官・ドラゴン(ジャッキー)が所属する水上警察と、宿敵・ジャガー(ユン・ピョウ)が所属する陸上警察は、大暴れする海賊たちを退治するために仕方なく手を組む。さらに、海賊の財宝を横取りしようと企む盗賊・フェイ(サモ・ハン・キンポー)も、ドラゴン&ジャガーと組みトリオを結成する――。 自転車を駆使したミラクルチェイスや時計台からの落下シーンなど、名場面が随所に散りばめられている本作。加えて、ジャッキー、ユン・ピョウ、サモ・ハンの伝説的なトリオぶりなど見どころ満載となっている。また、当時日本では“B級”のイメージが強かった香港映画を、“A級”娯楽作品として広く浸透させた功績にも注目したい。 日本での配給収入は約17億円を記録し、その年の年間第3位にランクイン。3年後には続編である「プロジェクトA 2/史上最大の標的」も製作されるなど人気を博した。 ■卓越した身体能力と集中力で魅せる「ポリス・ストーリー/香港国際警察」 また、ジャッキーが監督・脚本・主演・武術指導・主題歌歌唱を務めた「ポリス・ストーリー/香港国際警察」(1985年日本公開)も、今なお色褪せることない名作の一つ。 本作では、香港警察の犯罪特捜班に所属するチェン刑事(ジャッキー)の奮闘が描かれる。麻薬密売組織の取引現場をおさえ、激しい追跡の末にボスのチュウと、その秘書・サリナ(ブリジット・リン)を逮捕したチェンたち。しかし、検察側の証人となったサリナの身辺警護を任されたチェンは、彼女の策略によって逆に窮地へと追い込まれてしまう。殺人容疑をかけられ追われる身となったチェンは、真相を明らかにしようと単独で組織に戦いを挑んでいく――。 本作の見どころとなるのは、ジャッキーが得意とするド派手なアクションの数々。急斜面に密集するバラックを粉砕する壮絶なカーチェイスをはじめ、並走するバスに傘一本でしがみつくスタント、さらにはガラスの大量破壊や火花が散る電飾ポールの大滑降など、圧巻のアクションシーンが次々と映し出される。 中でも、ショッピングモールでの体を張った大立ち回りは必見だ。実際のデパートを使用し、深夜に600人ものエキストラを集め、2カ月間かけて撮影されたという同シーン。そのクライマックスとも言える電飾ポールの滑降シーンは、夜明けギリギリで1度きりの撮影チャンスとなったが、ジャッキーは地上3階から地下1階までの約30メートルを一気に滑り降りる大技を成功させた。スクリーンからも伝わる臨場感は、彼の並外れた身体能力と集中力の賜物と言えるだろう。 ■“伝説のスタントマン”が愛馬を取り戻すために奮闘する「ライド・オン」 ジャッキーが映画初主演から50周年という節目を記念して製作された映画「ライド・オン」(2024年日本公開)。本作でジャッキーは、かつて香港映画界で伝説のスタントマンとして活躍したルオ・ジーロンを演じている。 怪我をきっかけに第一線から退いたルオ(ジャッキー)は、借金取りに追われながら愛馬・チートゥとともに中国で暮らしていた。しかしある時、チートゥの元持ち主である友人の債務トラブルにより、愛馬が連れ去られてしまう。途方に暮れたルオは、疎遠になっていた娘・シャオバオ(リウ・ハオツン)に「チートゥを取り返したい」と頼み込むのだが…。 落ちぶれたスタントマンという役どころを通して描かれるのは、家族との絆の再生と、失われた誇りを取り戻そうとする男の姿だ。作中では、ルオがかつてスタントをした設定で「プロジェクトA」などのジャッキー作品が随所に引用され、主人公像とジャッキーが重なる構成となっている。 長年にわたり体当たりのアクションで映画界を牽引してきたジャッキーの歩みを思い起こさせる演出が多数織り込まれており、その積み重ねが物語に説得力を与える本作。円熟味を増した演技とともに、彼のキャリアの集大成とも言うべき一作に仕上がった。 なお動画配信サービス・Huluでは、「パンダプラン」のレンタル独占配信に加え、「プロジェクトA」「ポリス・ストーリー/香港国際警察」「ライド・オン」などのジャッキー作品を多数見放題配信中。