京都・南丹市で行方不明だった11歳の男子児童が遺体で見つかった事件。 死体遺棄の容疑で逮捕された父親の安達優季容疑者(37)は、南丹市で殺害し遺体を移動させたなどと供述していることが新たに分かりました。 16日朝、京都・南丹市内の店には、4月12日に遺体で見つかった安達結希さんの行方に関する情報を求めるビラが張られていました。 このビラを持ってきた人物の1人が結希さんの父親、安達優季容疑者のようだったと店の人は語ります。 ビラを張っていた店の店員: テレビとかニュースで報道されている子供なんですけども、これ張らせていただけませんかって持って来られました。(その人物は)すごい優しそうな感じ。もし本当にその人がお父さんで、こんな事件に関わっている方だったら本当に腹が立ちますけど。残念です。 街の人皆が望んでいた結希さんの無事。 しかし、結希さんが遺体で見つかり、その父親が逮捕されるという最悪の知らせを受け、店では親族によって求められた情報提供のチラシが外されました。 結希さんの遺体を遺棄した容疑での“未明の逮捕劇”から一夜明けた16日午後、安達容疑者が南丹警察署から京都地方検察庁への送検されました。 南丹警察署から安達容疑者を乗せた白いワゴン車が出てきましたが、白いカーテンのようなものと黒い傘に隠され、安達容疑者の姿や表情をうかがい知ることはできませんでした。 逮捕前の15日早朝、京都府警の任意同行に応じた際の安達容疑者は、ダウンジャケットを羽織りその袖の中に手をすぼめ、うつむきがちに歩いて警察の車に乗り込みました。 そして、任意同行から約17時間後、安達容疑者が逮捕されたのです。 京都府警捜査第一課長: 本日午前0時32分、死体遺棄事件の被疑者として安達優季、37歳男性を通常逮捕するとともに捜査本部を設置の上、本件の全容解明を図ることにいたしました。お亡くなりになられました被害者のご冥福を心からお祈り申し上げます。 捜査関係者によると、今回の逮捕容疑である死体遺棄に加え、結希さんの殺害についても認めているという安達容疑者。 一体、どのような人物で今回、どのように犯行に及んだのでしょうか。 安達容疑者を知る人物: 中学校3年生で生徒会長になった。みんなの意見を聞いて、それを尊重しながらこういうふうにしようかって言ってた子みたい。今回のことについて、まさかまさかって感じ。まさかそのね、優季くんとは思わないから。 小学生のころから安達容疑者を知っているという人物は、安達容疑者はおばあちゃん子だったことが印象に残っているといいます。 安達容疑者を知る人物: (おばあちゃんのこと)大好きでしょう。おばあちゃんがちょっと具合悪いとなると部活を休んで帰ってきたし。 その後、結希さんの母親と結婚した安達容疑者。 結希さんにとって安達容疑者は養父に当たります。 そうした中、結希さんの行方が分からなくなったのが、園部小学校で卒業式があった3月23日です。 捜査関係者によると、この日の朝までは結希さんの生存が確認されていたことが新たに分かっています。 ところが、この日の午前11時半ごろ、結希さんの両親、つまり安達容疑者と安達容疑者の妻が結希さんを迎えに来ると、登校していたはずの結希さんは学校に来ていなかったことが判明。 すると、安達容疑者は110番通報し警察に「学校まで子供を送っていったが、学校に迎えに行くと学校に行っていないと連絡があった」と説明しました。 当初、この日の朝、結希さんを“学校の近くまで送り届けた”としていた安達容疑者。 ところが、児童館に送迎された生徒は、グラウンド横の道路を通って校舎に登校する様子が小学校の防犯カメラに映るはずですが、当時、結希さんの姿は防犯カメラに映っていなかったということです。 小学校を訪れた他の児童や保護者などによる目撃情報もありませんでした。 結希さんの行方が分からなくなったことを受け、消防団などが南丹市内の各所を捜索。 結希さんの母親も「息子が行方不明になっています。どんなささいな情報でもお伝えください」と尋ね歩いたといいます。 近所の人からは「親族の方が気張って周辺を捜していたのは見かけた。川の方に向かって一生懸命捜していた」「(結希さんの)おばあさんもわらにすがる思いで(捜索)してた。もう半泣き。気の毒で気の毒で」などの声が聞かれました。 さらに、親族らは結希さんに関するビラを作成し、市内の商店などに張ってもらうよう呼びかけました。 応対した人は、その中に「安達容疑者の姿もあった」と話します。 安達容疑者らしき人物と会話した人は「31日のお昼過ぎ、男の人1人がチラシを持って『この子知りませんか?』って来た。後から考えたらお父さん(=安達容疑者)だったかなと思う。メガネかけ、テレビで見た顔と一緒だったので。(Q.様子は?)すごく落ち着いていた。慌てる様子もなく」「落ち込んでいて元気のない感じ。優しそうな顔はしていたが、冷静、落ち着いている」などと話しました。 共通する安達容疑者とみられる人物への印象は、子供の行方が分からない中でも“落ち着いていた”というもの。 安達容疑者らしき人物と会話した人: (今思うと)カムフラージュとかそういうのとしか思えないけど、本当にその時は捜していられる感じがしたので、本当に優しそうなお父さん。 一方で、行方不明になって3日後の3月26日、安達容疑者の自宅に警察が訪れ、安達容疑者立ち会いのもと車の鑑識作業などが行われる様子が見られました。 結希さんに関する有力な手掛かりが見つからない中、3月29日、学校から3kmの山中で親族が結希さんのものとみられる通学かばんを発見。 そして4月7日、結希さんの自宅近くに規制線が張られ、自宅の“すぐ近くの裏山”で大規模な捜索が行われました。 この日は、有力な手掛かりは見つからないとされましたが、この後から結希さんに関する新たな情報が次々と判明します。 4月12日に山林で結希さんのものとみられる靴が、13日には学校から南西に2kmの別の山林で子供らしき性別不明の遺体が見つかり、14日に結希さんと判明。 そして15日、自宅の捜索、そして安達容疑者を含む複数の親族に任意で事情を聴いた結果、16日の安達容疑者逮捕に至ったのです。 16日に行われた京都府警の会見では、安達容疑者が1人で結希さんの遺体を遺棄したと供述していることが明らかになりました。 そして、結希さんが行方不明になった3月23日当日の朝、実際に安達容疑者が学校付近まで車を運転していた一方、実際に結希さんが乗っていたかは確認ができていないとしています。 そして、遺体の発見場所について、結希さんの遺体が発見された4月13日の朝に現場付近を通った人は「(Q.異常はなかったか?)うん。近くを通っている、犬を連れて。(Q.犬の反応は?)なかった何も。においも何もしないから」と遺体発見の朝も現場周辺はにおいなど、おかしな点は感じられなかったとしていました。 こうした中、安達容疑者が結希さんの遺体を遺棄した場所について、複数箇所に及んでいたとみられることも新たに明らかになったのです。 こうした安達容疑者の行動について、犯罪心理の専門家である明星大学心理学部・藤井靖教授は、捜査のかく乱を狙ったのではとする一方で「『隠蔽(いんぺい)』と『死体』というのは、犯罪を起こした加害者にとっては一番重要な心理的に負荷の高い“犯行の結果”としてのものになるので、複数回遺体を移動させたとすれば精神的には錯乱状態に近かったのではないか」と話します。 結希さんの殺害についても認めているという安達容疑者は、「南丹市で殺害し遺体を移動した」と供述。 警察は結希さんの死亡について、事件事故の両面から慎重に捜査していくとしています。 法科学の専門家である法科学研究センター・雨宮正欣所長は、今後について、「まず家全体のいろんなものがどこに置いてあったかを、いろんな距離がどれくらいだとか、要するに見取り図を作る感じ。それがまずできてから、今度何かが発見されたのであれば、それがどこにあったっていうことを記入する感じ。司法解剖でやった内容というのは、解剖した時に肉眼で見える観察している範囲の発表。採取した血液だったり、組織片、いろんなものを顕微鏡で観察したり、機器分析したり。そういう時点で出てくる情報、そういう情報をもとにもしかしたら死因に近づけるかもしれない」と話します。