災害時に度々起こるデマ情報の拡散。SNSで簡単に、誰でも情報を発信できるからこそ起こりうる不安に踊らせられないために身に着けておきたいリテラシー。今すぐ自分にできること、未来へつながる“防災”について考えてみませんか? 正しく知り、しっかり学ぶ入門書的マニュアル本『今さら聞けない 防災の超基本』より、一部抜粋してお届けします。 * * * ■混乱のなか、デマの拡散を止めることは難しい 大規模な災害が起こると、それまで存在していた社会規範がなくなってしまうのではないかと恐怖や不安を覚えます。そのような状況で、人々は目の前の状況の解決策を見出そうとしますが、必要な情報やコミュニケーション不足により解決策があいまいになり、真偽を判別することが難しい情報(デマ)が発生しやすくなります。このようなデマは、ほぼ自然発生的に発生するため、完全に防ぐことは難しいです。 したがって、災害時は特に慎重な情報の精査が求められます。とりわけ被災地以外の人は、信頼できる第三者機関の発表を確認するなどの姿勢が重要になります。 ■過去の災害で広まった誤情報の例 1923 年関東大震災のときにも、さまざまなデマがありました。地震発生から約1 ~2時間後には、デマの発生が確認されています。 ◯1923年関東大震災 「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマが広がり、多数の朝鮮人が殺傷された 内閣府の「災害教訓の継承に関する専門調査会」の報告書によると、デマのピークは発災から2日目の午後から3日目の明け方であり、朝鮮人と誤認された被害者の殺害・傷害事件が2日目の夕方に発生した記録がある。 ◯2011年東日本大震災 製油所が爆発したあと「雨に有害物質が含まれているので外出の際は雨に接触しないように」というデマが拡散された 主にSNS上やメールで見られたデマ。該当石油会社や厚生労働省など、信頼できる機関が訂正情報を発信したことでデマが収束した。 ◯2016年熊本地震 動物園からライオンが脱走したというデマが画像付きで拡散された ライオンが道路を歩く写真がSNSに投稿されたが、海外の写真でありデマだった。熊本市動植物園には100件を超える電話が殺到、点検などの作業に支障が出た。投稿者は偽計業務妨害の疑いで逮捕された。 ■災害時のデマは善意によって拡散されやすい 被災地や被災者を「助けたい」「力になりたい」という思いから、被災地のためになると思った情報を、精査することなく拡散してしまう例が多くあります。 ■情報の取り扱い方 ◯情報の発信元を確認 ・政府や自治体、専門職の学会など、信頼できる機関・団体、第三者の情報を確認する ・伝聞の発信時は、URLや引用などで、情報の出典を明らかにする ◯むやみに拡散しない ・よかれと思って拡散したことがデマの場合、被災地や被災者に迷惑をかける ・正しい情報であっても、最新情報ではなくなっている可能性がある。古い情報の拡散により混乱を招くおそれがある 書籍『今さら聞けない 防災の超基本』 本当に役立つ防災の知識がこれ一冊でわかる! 災害が起きてからの行動シミュレーション、避難所の運営知識、SNSなどでの情報取得の方法など、近年の災害時に注目されるポイントを徹底的に紹介。今のうちに身につけよう「防災力」。備蓄品・持ち出し品リスト付き。 災害直後の初期行動/避難のタイムライン/在宅避難のメリット・デメリット/避難所で使える! 1000人分のアレンジレシピ/生活再建を助ける保険制度……など、誰かと共有しておきたくなる全97トピックでお届けします!