滝野川署から出てきた男は、カメラに気づいても眠たげな目を前方に向けたままで、一切の感情が抜け落ちたように、無表情のまま護送車に乗り込んだ。 「5月12日、警視庁滝野川署は、尾行した20代の女性にわいせつな行為をしてケガを負わせたとして、不同意わいせつ致傷の疑いで、中国籍の会社員・張子豪容疑者(33)を逮捕しました。 張容疑者は、3月29日の午前6時半ごろ、東京・北区に住む帰宅途中の女性を約200メートル尾行し、マンション内に侵入。通路で女性にキスをし、下唇を噛んでケガを負わせた疑いが持たれています。女性が110番通報し、マンション付近の防犯カメラなどの捜査で、張容疑者が浮上したということです」(全国紙社会部記者) 5月14日、8時ごろ、張容疑者の身柄は検察庁に送られた。メガネをかけ、おとなしそうな風貌。詳しい職業はわかっていないが、会社員という警察発表には、まったく違和感を感じない。スーツを着ていたら、どこにでもいそうな普通の会社員といった雰囲気を持っている。 今年の1月、FRIDAYデジタルは、今回の事件とかなり似たケースの事件について報じている。事件は、昨年の12月の夜、東京・練馬区で起きた。31歳の容疑者の男が、路上を一人で歩いていた帰宅途中の20代の女性の後をつけ、後ろから抱きついて犯行に及んだ。その際、女性は転倒し、ケガを負っている。男は現場から走り去って逃走したが、防犯カメラの捜査で容疑者が浮上し逮捕されている。その後の捜査では、次のようなことがわかった。 「事件の約1週間後、被害女性が容疑者から付きまとい行為を受けていることがわかったのです。なぜ、一度は逃げおおせた容疑者が被害女性の前に再び姿を現したのか、理由はわかっていません」(当時の取材記者) かつて、盗撮といった常習性の高い犯罪を繰り返す人物像について、社会心理学の専門家は、次のように話していた。 「盗撮行為をする人の中には、窃視症(のぞき行為で性的興奮を得る症状のこと)のような病的な人もいます。自分でも抑えられず、社会的地位があっても繰り返す人もいます。また盗撮犯の中には、盗撮を釣りやゲームの技を磨くように取り組んでいる人もいるのです」 繰り返される女性への付きまとい行為にも同様の理由が考えられるかもしれない。というのも、張容疑者の事件の前には、周辺地域から「不審な男に付きまとわれた」との相談が約10件寄せられていたといい、男との関連を調べている。張容疑者は、警察の調べに対し、 「女性が私にぶつかってきた。わいせつな行為はしていない」 と容疑を否認しているという。容疑者の“常習性”が疑われる──。