現役の監督が現行犯逮捕という衝撃的な一報が野球界を襲った。警視庁は5月25日、自宅で18歳の長女を押し倒すなどの暴行を加えたとして、巨人の阿部慎之助監督を暴行容疑で現行犯逮捕した。阿部監督は警察の取り調べに対し、けんかをしていた長女と次女に対して注意したが、「娘に言い返され、かっとなった」などと供述したという。警視庁は26日未明に阿部監督を釈放し、今後は任意捜査に切り替えて詳しい経緯を調べる。阿部監督は26日に記者会見を開き、監督を辞任した。 「30年近くプロ野球の現場で取材していますが、今回の事件が一番驚きました。家庭内のトラブルが刑事事件となったことにいろいろな意見がありますが、家族への暴行で逮捕されたという事実が残る。巨人にとって大きな問題は監督が突然チームからいなくなった状況で、今後どのように戦っていくか。きょう26日に開幕する交流戦から橋上秀樹オフェンスチーフコーチが監督代行を務めることが発表されました。シーズン中に生え抜きでない監督代行が就任するのは球団初の出来事ですが、巨人の歴史でシーズン途中での監督の休養、解任といったケースはなく、今回は異例の事態です。生え抜きとか外様とか言っている場合ではない。ペナントレースはまだ3分の1しか消化しておらず、動揺する選手たちを落ち着かせてチームを束ねていく必要があります」(スポーツ紙デスク) 橋上コーチは現役時代に野村克也監督が率いていたヤクルトなどでプレー。引退後は指導歴が20年以上に及び、巨人、楽天、西武、ヤクルトでコーチを務めたほか、新潟アルビレックスBCで独立リーグ時代とNPBのファームに新規参入後に監督を務めている。阿部監督の強い要望に応じて昨年から巨人の作戦戦略コーチに就任。今年はオフェンスチーフコーチに役職が変更され、阿部監督の頭脳としてチームを支えていた。 橋上氏を取材してきたライターがその手腕を語る。 「野村克也さんが楽天の監督時代に、腹心として絶大な信頼を置いていたのが橋上さんでした。データを基に戦術を組み立てる能力に長け、相手投手の癖を見抜く眼力が凄かった。選手の意見に耳を傾け、作戦を変更するなど柔軟性もありました。阿部監督にとって橋上さんは高校の先輩で、現役時代のコーチだった。野球観が合ったようで、2020年には共著も出版しています。『橋上さんは常に一歩先を見据えて頭を働かせている』と戦術眼を称えていましたし、ブレーンとして不可欠な存在でした」