コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、チャンピオンクロスで連載中の作品『加害者家族の真実』(原作:阿部恭子さん・漫画:河野慶さん)より第1話をピックアップ。 本作は阿部恭子さんの著書『息子が人を殺しました 加害者家族の真実』(幻冬舎新書)のコミカライズ作品として話題となっており、2026年3月18日にはコミックス第1巻も発売された。本記事では、原作の阿部恭子さんと漫画を手掛けた河野慶さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。 ■突然加害者家族になってしまった女子高生 加害者家族支援のNPO法人 Open Heart(オープンハート)で働く松田の元に、娘を守ってほしいとやってきた高橋純子。松田は事件の経緯を詳しく聞くことに。 去年の12月、帰宅した夫・高橋昭が投資詐欺グループの主犯格として突然逮捕される。その日を境に純子の生活は一変。翌日から多くのマスコミが家を訪れ、電話もひっきりなしに鳴るようになる。 年が明け、何も知らない娘・美月は留学先のカナダから帰国。帰宅すると家には「犯罪者は出て行け」「消えろ」「人間のクズ」といった多くの誹謗中傷の落書きがされており、さらに家の中の家具などが一切なくなっていた。 母・純子から父親の会社が倒産したと聞き、さらにすぐに祖母の家に引っ越すと言われる美月。必死で勉強して入った高校を突然転校しなければならなくなったことに納得がいなかない美月だったが、学費を払う余裕がないと言われ純子と逃げるように引っ越しをする。 しかし、やはり通っていた高校を諦めきれない美月は、片道1時間半かけて登校するが…。 作品を読んだ読者からは、「世に一石を投じる作品」「見応えある」など、反響の声が多く寄せられている。 ■阿部恭子さん「子どもに責任は一切ありません」・河野慶さん「現代社会において重要なテーマ」 ――『加害者家族の真実』の原作『息子が人を殺しました 加害者家族の真実』(幻冬舎新書)はどのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。 阿部恭子:本書は専門書以外での私の最初の著作で予想以上に多くの方々に読んで頂いた作品で韓国や中国でも翻訳出版されました。タイトルの「息子が人を殺しました」は私が最初に電話相談を受けた加害者家族から発せられた言葉です。担当編集者さんとタイトルの話をしていて「加害者家族が語った印象的な言葉は?」と聞かれて思い出した言葉がタイトルになっています。 ――『加害者家族の真実』を創作することになったきっかけや理由などをお教えください。 河野慶:これまで、原作付きで様々なジャンルの作品を描かせていただきました。お話をいただいた時、社会派の作品は描いた事がなかったので興味を惹かれました。加害者家族支援という活動もその時初めて知りました。現代社会において重要なテーマだと思い、描かせていただく事にしました。 ――本作を執筆するうえで、特に心がけた点や大切にしていたことなどをお教えください。 阿部恭子:本書は2017年に出版されています。現在に比べれば事例も少なく、加害者家族のプライバシー保護を優先するあまりひとつのストーリーが非常に短くなっています。当時はそうせざるを得ませんでした。漫画化にあたって、ストーリーが補足されて新しい作品になっていくのは嬉しいです。 ――本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。 河野慶:絵を丁寧に描く事を心掛けています。現実感が出るように、背景もなるべくリアルに仕上げています。 ――『加害者家族の真実』第1話のなかで、特に注目してもらいたいシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。 阿部恭子:加害者家族の子どもが主人公ですが、子どもに責任は一切ありません。大人たちが彼女に伝えるべきは、「あなたは悪くない」「幸せになっていい」ということです。 河野慶:松田の「あなたは悪くない 幸せになっていい」というセリフです。加害者家族に対して、社会的にこのような声掛けが増えてほしい。そういうメッセージが込められていると思います。 ――2026年3月には本作のコミックス第1巻が発売されました。第1巻の見どころをお教えください。 阿部恭子:何不自由ない高校生活を送っていた主人公はある日突然、父親が 詐欺で逮捕されてしまいます。激変していく生活の中で彼女はどうやって未来を切り拓いていくのか注目です。 河野慶:おそらく加害者家族をテーマにした漫画は初めてだと思います。第一巻は身近な学生の話です。学生時代を思い出しながら読んでいただけると、より共感して読んでいただけると思います。 ――ご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください 阿部恭子:数年前からノンフィクション作家として作品に取り組んでいます。加害者側の親族だけでなく被害者側や加害者を取り巻く様々な人々との交流から、犯罪報道が伝えていない、罪を犯すということ、そこに巻き込まれる人々の不条理を伝えていきたいです。支援者では加害者の妻や母という立場に縛られがちですが、作家として名前のあるひとりの人物として加害者家族とより深く関わりたいと思っています。 河野慶:様々なジャンルに挑戦しながら描き続けたいです。読み物として面白い作品を読者の皆様にお届けできる様に努力していきたいです。 ――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。 阿部恭子:本書を手に取って下さった皆様に心より感謝申し上げます。描かれた世界はすべて現実に起きていることであり、皆さんの身近で起きていた事実かもしれません。どうかこれからも温かく見守って頂ければ幸いです。 河野慶:2巻以降も様々な加害者家族の過酷な人生が描かれます。引き続きご愛読よろしくお願いします!