特殊詐欺対策、タイに連絡員 警察庁が国際連携強化

警察庁は18日、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)などが関与する特殊詐欺対策で、国際連携や情報収集を強化するため、拠点が集中する東南アジア各国当局との調整などを担うリエゾン(連絡員)を配置したと発表した。 タイ・バンコクを拠点に、犯罪情勢の分析や詐欺拠点摘発の初動対応に当たる。 派遣されたのは、同庁組織犯罪対策2課所属の30代男性警部補。タイ当局は東南アジア各国当局の中心的立場で、欧米各国なども要員を置いている。リエゾンはタイ当局や各国の連絡員との関係構築、情報収集・分析が主な任務。周辺国で拠点が摘発された際には速やかに現地へ赴き、共同捜査に向けた調整や関与した日本人の情報収集も行う。 警察庁によると、今年1~4月の特殊詐欺被害額は約1260億円で、過去最悪だった昨年の同じ時期と比べ7割増と、深刻な状況が続く。欧米でも被害が相次ぎ、世界の被害額は年4000億米ドル超ともいわれる。 詐欺拠点の多くは東南アジアにあるとされ、日本で起きた特殊詐欺のうち、昨年は4分の3が海外からの電話だった。現地当局も拠点の摘発を強化し、日本へ身柄の移送を受けるなどした昨年の逮捕者は4カ国で計54人で、今年は5月末時点でカンボジアやインドネシアなどで計35人に上った。 国際連携の重要性が高まる中、警察庁はこれまで国際対策会議を開催するなど、幹部間の交流を強化。組織中枢の摘発に向け、より現場に近いレベルでも関係を深めることにした。同庁担当者は「海外に逃走したり拠点を置いたりしても必ず捕まる体制を築きたい。リエゾンはその先駆けだ」と期待を込めた。

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