怒声を浴びせる場面も 特捜検事の取り調べ映像、法廷で再生へ

東京地検特捜部の検事による違法な取り調べで精神的な苦痛を受けたとして、詐欺容疑などで逮捕・起訴された被告が国に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(大須賀寛之裁判長)は2日、取り調べの映像を8月10日の期日で再生することを決めた。約205時間ある録音・録画のうち約1時間10分が対象。「黙秘を人のせいにするな」などと検事が怒声を浴びせる場面が収められている。 原告は太陽光発電関連会社「テクノシステム」社長の生田尚之被告(52)=1審で実刑、控訴中。取り調べを担当した堀木博司検事(57)=現所属は大阪高検=は今回の民事訴訟とは別に、不起訴になった公務員の刑事裁判を求める付審判請求が東京地裁で認められ、特別公務員暴行陵虐罪で公判が開かれることが決まっている。 2日の口頭弁論では、生田被告側が人格権や黙秘権の侵害があったとして61場面の再生を求めたのに対し、地裁は58場面(約1時間10分)の再生を決めた。被告側によると、検事が「検察庁を敵視するってことは、反社(反社会的勢力)や」などと発言した場面も含まれている。 2024年7月に提訴した生田被告側は国に保有する全ての取り調べ映像の提出を求め、国は3月に205時間分の映像を提出した。検事の取り調べの違法性を判断するため、民事訴訟で取り調べの録音・録画の映像の再生が決まるのは3例目となる。 最高検は22年に堀木検事の取り調べを「不適正」と認定している。金融機関から融資金約22億円をだましとったとして詐欺罪などに問われている生田被告に対し、東京地裁は26年3月、取り調べは「不相当」としつつも他の証拠から懲役11年の実刑判決を言い渡している。【五十嵐隆浩】

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