「無期懲役の可能性もあった」旭川女子高生殺害・内田被告(23)の“懲役27年”を元特捜部副部長は疑問視…模範囚なら40代で出所の可能性も

「生ぬるい! 家族が報われないだろうが」 6月22日、’24年4月に北海道・旭川市で当時17歳の女子高校生を橋から川へ転落させ死亡させたとして、殺人や不同意わいせつ致死などの罪に問われた内田梨瑚被告(23)に対し、旭川地裁が懲役27年の判決を言い渡した。 しかし、判決後、法廷には冒頭の怒声が響き渡ったのだ。声の主の男は続けて、「こんな判決おかしいだろうが」「死刑か無期やろうが」などと叫び、裁判は一時中断。自称・福岡県北九州市在住で48歳だという男はその後、建造物侵入容疑で逮捕された。 怒声が飛び交うなかも、内田被告は座ったまま動じる様子を見せなかったという。事件は、SNS上のトラブルをきっかけに内田被告が女子高生を車に監禁して暴行。服をすべて脱がせて橋の欄干に座らせた末、川に転落させて殺害したという残虐極まりないもの。すでに共犯の女は懲役23年が確定して服役している。 一方、主犯格とされた内田被告は殺意を否認したが、旭川地裁は「残虐で卑劣な犯行だ」として、検察の求刑通り懲役27年を言い渡した。判決後、内田被告は控訴しない意向を示しており、判決は確定する見通しだ。 しかし、判決後、被害者の遺族は「残忍で想像を絶するほどの苦痛を受けて命を失った娘への罪が、こんなに軽いものなのか」とコメント。もちろん冒頭の男の行為は正当化されるべきではないが、SNS上でも《同じ子を持つ親として同じ気持ち》《間違いなく国民の声を代弁してる》など、法廷で飛んだ怒声に共感する声も少なくなく、量刑への疑問が広がっている。 また、一部では刑務所内での態度などによって“判決の刑期よりも早く出所するのではないか?”と指摘する声もあがっている。 実際、懲役27年とはどのような刑なのか。元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏は、出所の時期について次のように説明する。 「有期刑の場合、理論上は刑期の3分の1を経過すれば仮釈放の対象になりますが、実際には10年を超える刑期の場合、8割程度服役するのが一般的です。受刑態度が極めて良好であれば、懲役27年なら20年より前に仮釈放される可能性はあります。 ただ今回は、ご遺族の処罰感情が非常に厳しい事件です。仮釈放を判断する際には被害者遺族の意見も考慮されますから、仮に模範囚であったとしても、20年より前に仮釈放されることはまず難しいでしょう。現実的には20年強から25年程度は服役することになると考えられます」 一方で、刑務所内での生活については、’25年の刑法改正によって懲役刑と禁錮刑は廃止され、新たに「拘禁刑」が導入されたことで、更生に向けた教育的指導に重きが置かれるという。 「今は本人の更生や社会復帰を重視する方向へ制度が変わっています。刑務作業だけでなく、教育や資格取得など、更生プログラムにも重点が置かれています。内田被告の場合も、刑務所内では資格の取得や、社会復帰のための教育を受けることになるでしょう。テレビの視聴や読書などの自由もある程度認められます。 内田被告は現在23歳ですから、模範囚であれば40代前半で出所することになります。出所後は、刑務所内で取得した資格を活かして働き口を見つけるなど、更生をサポートする仕組みも存在します。仮釈放後は保護観察を受けながら社会復帰を目指すことになるでしょう」 その上で若狭氏は、内田被告が控訴をしなかったのは「受け入れ可能な判決だったと考えている可能性がある」と指摘する。 「一刻も早く服役を開始し、模範的な態度を見せることで、1日でも早い出所を目指すという判断も考えられます」 一方で、若狭氏は今回の判決について、「軽い」という見方を崩さない。 「今回、最も考えるべきなのは、性犯罪の悪質性が判決に十分反映されたのかという点です。近年の法改正では、性犯罪は重大な人権侵害として位置付けられ、法定刑も引き上げられました。私自身、国会議員時代にその法改正に携わっています。 性犯罪は『魂の殺人』とも呼ばれます。被害者に強い羞恥心や恐怖を与え、その尊厳を深く傷つける極めて重大な犯罪です。今回の事件でも、被害者はわいせつな被害を受けた末に命まで奪われました。 それにもかかわらず、今回の求刑や判決を見る限り、検察や裁判所には、改正後の性犯罪に対する考え方が十分反映されていないように感じます。現在の法改正の趣旨を踏まえれば、無期懲役になった可能性もあるでしょう。性犯罪に対しての位置付けというのが問われる案件だったのではないかと思います」 控訴しない意向を示し、懲役27年となる見通しの内田被告。その間、自身の罪とどのように向き合うつもりなのだろうか。

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