エムバペ選手に「フランス人のふりをしているだけ」“人種差別”投稿のパラグアイ議員に非難殺到 大統領も言及し外交問題にまで発展

フランス代表のエース、キリアン・エムバペ選手をめぐり、人種差別的な発言が国際問題に発展している。発端は、ワールドカップの試合後にパラグアイの国会議員がSNSへ投稿した差別的な内容だった。これに対しエムバペ選手本人も反発し、両国の首脳も言及する事態に。スポーツの枠を超えた波紋が広がっている。 ◆発端はパラグアイ議員の“人種差別”投稿 気になる疑問やニュースの「ナゼ」を解き明かす「どうなの?」 安宅晃樹キャスター: 日本時間10日早朝に行われたFIFAワールドカップ2026決勝トーナメントの準々決勝でフランスはモロッコに2-0で勝利し、先制点を決めたエムバペ選手は今大会得点ランキング1位のメッシ選手と並びました。 山﨑夕貴キャスター: エムバペ選手、本当にすごいですね。今回は、足首に違和感があるということで途中交代しましたけど、万全の状態で準決勝に臨んでほしいですね。 安宅キャスター: エムバペ選手の体の心配もありますが、ただ、ピッチの外でも、エムバペ選手をめぐって心配な出来事も起きています。そこで今日のどうなの?は「フランス・スター選手を人種差別か、パラグアイ国会議員に非難殺到」について見ていきます。 事の発端は7月5日、フランス対パラグアイ戦の直後、敗れたパラグアイの国会議員であるアマリージャ氏がSNSに投稿した次のような内容だ。 決勝点を決めたエムバペ選手に対して「フランス人のふりをしているだけの植民地化されたカメルーン人」と人種差別的な内容を投稿した。 さらに、「オルランド・ヒル(パラグアイGK)よ、侮蔑のジェスチャーをしてやれば良かった」 と立て続けに投稿した。 榎並大二郎キャスター: これ本当に投稿したんですよね。今大会は、誹謗中傷も一つの問題になっていたじゃないですか、それよりはるかに悪質な差別的発言で、しかも国会議員がというところ、信じられないんですけど、 何があったんですかね。 発言のきっかけとなったのは、決勝トーナメント2回戦のフランス対パラグアイでのワンシーンだった。 試合終了のホイッスルが鳴った直後、勝利の雄叫びを上げるエムバペ選手のすぐ近くにいたパラグアイのゴールキーパーが、手を差し出して握手を求めるが、エムバペ選手はこれをスルー。 この行動にアマリージャ議員は激怒し、差別的発言を投稿したとみられる。 その後、両チームの選手たちは入り乱れ、もみ合う状態となり、後味の悪い幕引きとなった。 遠藤玲子キャスター: 実は、この試合、プレー中も選手たちが感情的になって、もみ合うというシーンが確かに多かったですね。 特にエムバペ選手に対しては、パラグアイの選手が止めようとして、もみ合ったりとか、試合中もありましたし、エムバペ選手がPKを蹴るシーンでは、芝生を蹴ったりして妨害するような、スポーツマンシップに反するような行為というのも結構多く見られたので、PKは決まりましたけど、試合後も選手たちが仲良く握手したりとか、称え合うというようなシーンは見られず、比較的荒れた試合だったなという印象ではありました。 ◆人形燃やす行為も パラグアイで波紋 そして、フランス戦の後、パラグアイ国内ではこんな行動に出る人もいた。 安宅キャスター: これは試合後にパラグアイで撮影されたとみられる映像で「エムバペ(MBAPPE)」と書かれた人形が空中に吊されています。 そして、パラグアイのユニフォーム姿の男性が人形に火を付けると、人形に火が燃え移った瞬間、周囲からは歓声のような声が上がりました。 アマリージャ議員の人種差別的発言に対し、エムバペ選手本人が自身のSNSで「あなたは卑劣で地位に値しない女性です」「私は、彼女のような人々が世界中に憎悪と人種差別を広める自由を決して許しません」と反応した。現在、この投稿は8800万回以上表示されている。 しかし、怒りが収まらないアマリージャ議員。今度は国会の場で「ゴールキーパーがパラグアイ人らしい謙虚さを込めて手を差し出したのに、あいつが握手を拒否し、顔に向かって叫んだ」「あれはフランス的な振る舞いじゃない。フランス人なら絶対にしないことだ」と発言した。 山﨑キャスター: 身ぶり手ぶりもありますし、言葉の端々に差別的な意図が感じられますよね。 ◆両国の大統領も言及…外交問題に発展 安宅キャスター: この発言や投稿を受けて、この問題が様々なところへ波及しています。 フランスのマクロン大統領はXで「エムバペに全面的な支持を送る」と投稿した。 一方で、パラグアイのペニャ大統領はマクロン大統領に書簡を送り、「パラグアイはこれまでもこれからも人権を大切にする国だ」と説明したという。 さらに、パラグアイの国会でも「アマリージャ議員の投稿を非難する決議を採択した」ということだ。 遠藤玲子キャスター: あくまでアマリージャ議員であって、これがパラグアイ国民を代表した意見ではないということは、パラグアイ国民の皆さんも声を大にして言いたいですよね。 石渡花菜キャスター: これは、法的に何か問題ってないんですかね? 安宅キャスター: その法的な動きもありまして、まず、フランスのサッカー連盟は今回の件を受けて、パリ検察庁に告訴する方針を発表しました。 地元メディアによりますと、パリ検察庁は公の場でエムバペ選手を侮辱した罪で捜査を開始し、 仮に有罪の場合には、1年以下の拘禁刑および、約830万円の罰金の可能性があるといいます。 さらに、パラグアイ国内でも当局が「人権侵害」の罪で調査する可能性があるとしています。 国際問題に詳しい弁護士法人の橋下綜合法律事務所の松隈貴史弁護士によりますと、罪に問うには2つのハードルがあるといいます。 まず一つ目は、「起訴の難しさ」です。国をあげて他国の議員を訴える形になりますので、起訴すれば確実に罪に問える状況にしないといけないといいます。 二つ目は、「外交上の問題」です。仮に判決が出たとしても、どうやって議員を海外に連れ出すか。議員には「不逮捕特権」があり、パラグアイ政府が身柄を確保すること自体が難しいといったようなハードルがあるといいます。 安宅キャスター: ということで、10日のどうなの?は「フランス・スター選手を人種差別かパラグアイ国会議員に非難殺到」について見ていきました。アマリージャ議員の投稿や発言をきっかけに、フランスとパラグアイ両国の大統領も発言する事態にまで発展しています。また、今回の発言が罪に問われるかについて、専門家は、「外交上の問題などから、起訴にはハードルが高い」と指摘しています。 山﨑キャスター: 問題となっているアマリージャ議員ですが、一度投稿を削除したものの、「表現の自由だ」として、エムバペ選手に謝罪を要求しているということです。 榎並キャスター: よく分からない道理ですけれどね。プレーに対して熱くなるのは、構わないと思うんですけど、 国際舞台で、ましてや公人が差別的な発言をするのは、言語道断と言わざるを得ないという風に思います。 (「イット!」7月10日放送より)

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