10日、大阪地検で行われた異例の裁判。 東京高検の田渕大輔検事が被告人として出廷したのです。 現役の検事が裁かれることになったきっかけは7年前に行った取り調べ。 田渕被告; どんな功績があるんだよ。どこにあるんですか。 取り調べ相手: その時…ちょっと今勘違いしました。 田渕被告: なめんじゃないよ!いいかげんなこと言っちゃダメだろ。 “検察なめんなよ”などと相手を脅し、精神的に追い詰める違法な取り調べを行ったとして特別公務員暴行陵虐罪に問われているのです。 7年前、大阪地検特捜部に所属していた田渕被告が取り調べていたのは、土地取引を巡る横領事件に関わったとして逮捕された不動産会社の元社員です。 田渕被告は、当時不動産会社の社長だった山岸忍さんも事件に関わっていたとみて、この元社員を連日追及。 元社員は山岸さんの関与を否定しますが…。 田渕被告: 何でですか!答えなさい! 取り調べ相手: 事実は実際に何も変えて言っているわけではない。 田渕被告: 変えてるじゃないか!思い切り変えてるだろうが! 取り調べ相手: 変えてな… 田渕被告: 変えてるだろ! 取り調べ相手: 自分の考えで…。 田渕被告: 変えてるじゃないか!いいかげんにしなさい! 田渕被告は執拗に追及していきます。 取り調べ相手: 正直に全部ちゃんと話そうという姿勢で臨んでいます。 田渕被告: だとしたら私が欲しい話ではなく、私が“なるほど”って思える話が出てこないとおかしいですよね。でも今の、少なくとも山岸さんに関する話って全然なるほどじゃないよ。本当の真実の話をしたら、なるほどって思う話になるはずなんです。 こうした取り調べが続いたあと、この元社員は山岸さんが事件に関与したとする供述をし始めます。 これを受け、山岸さんは逮捕・起訴されますが、裁判の結果、無罪が確定しました。 大阪地裁は「元社員の供述が変わっていて、検察官の取り調べの影響を受けた可能性も否定できない」などを理由に挙げています。 その後、一連の捜査で違法な取り調べがあったとして刑事告発された田渕被告は、10日の初公判で「私が裁判を受けることになった言動に間違いありません。陵虐加虐に当たる行為ではなかった」と無罪を主張。 一方、検察官役の指定弁護士は冒頭陳述で、「罪に問われている日以外の取り調べでも大声を出すことがあり、録画・録音の音が割れるほどの音量だった」などと指摘しました。 田渕被告の取り調べが相手を脅し、精神的に追い詰める違法な行為だったのかが争われている、この裁判。 次回の公判では、取り調べの録画映像が法廷で再生されるとみられます。