(CNN) ドイツのベルリンで開かれた性的少数者(LGBTQ+)のイベント会場付近で25日、群衆に車が突っ込むなどして1人が死亡、29人が負傷する事件があった。容疑者の男は26日、警察に射殺された。ドイツ政府は「イスラム主義者のテロ攻撃」と形容している。 事件は現地時間の25日夜に発生。LGBTQ+プライドイベント会場付近の公園で、歩行者らが突っ込んで来た車にはねられ、刃物で襲われた。 警察はこの事件に関係して、レバノン系ドイツ人のアブドゥル・B容疑者(21)の行方を追い、写真を公開するなどして市民に情報提供を呼びかけていた。 AP通信が検察の話として報じたところによると、同容疑者はベルリンにあるイスラム教団体のメンバーで、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に加わろうとした人物として、警察がマークしていた。 同容疑者は2025年、シリアへ入ってISISに加わる目的でレバノンへ渡航。同地で宗教対立をあおったなどとして逮捕され、3カ月間服役していたという。 ドイツへ帰国後は、ISISのプロパガンダ流布などの罪に問われて少年裁判所で禁錮1年10カ月の執行猶予付き判決を言い渡され、控訴手続き中に釈放された。 25日の事件発生を受けてアブドゥル・B容疑者の行方を追っていた警察は、現地時間の26日午後6時ごろ、ベルリン市内の農園で同容疑者を発見。容疑者が刃物を持って向かってきたことから、警察の特殊部隊が発砲したとしている。 救急隊が直ちに蘇生を試みたものの、同容疑者は現場で死亡した。 25日の事件が起きたのは、LGBTQ+イベント会場に近いベルリン中心部の公園だった。午後10時ごろ、公園内に侵入した車が歩行者を次々にはねた。車はその後、木に衝突して乗り捨てられているのが見つかった。 現場には救急隊や消防隊が駆け付けて負傷者の手当てをする中、警察はX(旧ツイッター)への投稿で、その場にいた全員に即刻退避するよう呼びかけた。 アレクサンダー・ドブリント内相は26日午後、記者団に対し、今回の事件を「イスラム主義者のテロ攻撃」と形容。1人が死亡し、29人が重軽傷を負ったことを明らかにした。 容疑者は車で歩行者に突っ込んだ後、なたのような刃物で襲いかかったとされる。 警察は26日、負傷者はいずれも命に別条はないと説明した。 フリードリヒ・メルツ首相は「卑劣な犯行」と形容し、ドイツ社会に対する攻撃と位置付けている。