〝ゾンビたばこ〟を巡る闇は、まだ底を見せていないのか――。広島は30日、所属選手2人が広島県警の家宅捜索を受けたと発表。異例の事態にSNS上では「これだけで終わらないのでは」と疑念が噴出し、球団に徹底調査と情報開示を求める声で大炎上状態となっている。過去最大クラスの衝撃に見舞われている名門球団の迅速な対応が、今後は大きな焦点となりそうだ。 終着点がまるで見えない。広島は同日午後、広島県警が矢野雅哉内野手(27)と前川誠太内野手(23)の自宅などを捜索したと発表した。球団寮も対象になったといい、一軍でプレーしていた前川を出場選手登録から抹消した。 球団は「警察の捜査に全面的に協力するほか、捜索を受けたという事実を重く受け止め、前川誠太選手の登録を抹消しました」と説明。「ファンの皆様をはじめ、関係者の皆様には、ご心配をおかけいたしますことを心よりお詫び申し上げます」と文書で謝罪した。 矢野は「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物エトミデートを羽月隆太郎元選手に渡したなどとして逮捕、起訴された男と、ホテルの一室で撮影されたツーショット写真を週刊誌に掲載されていた。球団は報道を受け、17日に鈴木清明球団本部長の判断で矢野の登録を抹消。鈴木本部長は今回の捜索容疑について「一連の流れの捜索だと思っている」と述べた。 一方、前川については当該人物との同席写真などは報じられていなかった。それだけに、家宅捜索を理由とした前代未聞の登録抹消はファンに大きな衝撃を与えた。 SNS上ではカープファンを中心に「前川もかよ」「まだ何かあるのではないか」「これだけで終わらないのではないか」などと、さまざまな疑念が噴出。「球団が第三者を入れてしっかり調査しないから」「とにかく、これを機に一刻も早く〝膿(うみ)〟を出し切るべきだ」「NPBも何らかの形で動いた方がいい」など、球団任せの対応に限界を指摘する厳しい声が相次ぐ危機的状況となっている。 羽月元選手は1月に逮捕され、その後起訴。球団は契約を解除した。松田元オーナーは「キャンプの前、後半戦が始まる前にこういう問題が起きて、申し訳ない気持ちでいっぱい」と謝罪し、新井貴浩監督も「またこのような形でご迷惑をおかけして申し訳ない」と硬い表情で頭を下げた。 しかもSNS上では、球団側の弁明や情報コントロールなど到底通用しない「最後通告」とも受け取れる痛烈な詰問が、過去最大級の勢いで噴出している。これほどまでにファンの不信と怒りが一気にあふれ返り、一刻も早い全容解明や情報開示、徹底調査を求める声が止まらない事態は、球団にとって今まで経験したことのない極めて深刻な異常事態だ。もはや小手先の対応では収まらず、誰がどう見ても今の広島は球団史上最大級のピンチに陥ったと言わざるを得ない。 2024年にゴールデン・グラブ賞を獲得した矢野、昨季プロデビューを果たした前川まで捜索対象となったことで、球団への視線は一段と厳しくなった。捜査中を理由に情報を絞れば、ますます疑念は膨らむばかりだ。広島は今、後半戦の戦い以上に重苦しい「情報開示」という至上命令を突きつけられている。