なぜ国会議員は、都心一等地のマンションに破格の家賃で住めるのか。TBSラジオ記者の澤田大樹さんは「国会議員には、歳費、不逮捕、免責という憲法上の3大特権だけでなく、議員会館や宿舎にも一般人には考えられない待遇が用意されている。ただし、選挙に落ちればその恩恵はあっけなく消える」という――。(第2回) ※本稿は、澤田大樹『永田町の人をウォッチしてみた』(カンゼン)の一部を再編集したものです。 ■国会議員が持つ「3大特権」 国民の代弁者たる国会議員には、さまざまな“特権”が与えられています。それはどんな内容なのか、憲法で定められた3大特権を見ていきましょう。 まずは、憲法49条で定められた「歳費特権」。国がその人の身分を保証し、国から歳費という名の給料が出るという特権です。 次に、憲法50条で定められた「不逮捕特権」。国会の会期中は逮捕されない、という特権です。例外として現行犯逮捕の場合や、警察や検察側が逮捕許諾要求を国会側に提出した場合は会期中でも捕まえられるというルールがあります。 ただ、「逮捕許諾要求」で提出すべき書類の記載内容があまりにも細かく、警察や検察はすべての証拠を固めた上で、手の内をさらさなければいけません。そこまでして会期中に逮捕したくないということもあり、国会が閉じると逮捕者が出るのが一般的。1月に通常国会が開くまでの、年末からの1カ月間や、6月に通常国会が閉まったあと臨時国会が始まるまでの大体3カ月間が、逮捕のチャンス期間となります。 尚、逮捕された議員に対して、国会側が要求すれば、国会が開いている間は釈放しなければいけないというルールもありますが、実際に釈放されたケースはゼロです。 ■なぜ「不逮捕特権」があるのか 悪いことをした政治家が逮捕されないのはおかしい! と思うかもしれませんが、このルールは権力の暴走を止めるための大切なもの。万が一にも、警察や検察などが、「あの議員のやり方が気に食わん!」と容疑をでっち上げて不当逮捕できてしまったら、国民から選ばれた議員の発言権や議決権は簡単に奪われてしまいます。 戦前に、権力の暴走により身柄の拘束があった反省を踏まえているとも言えます。国会議員の地位は重く、簡単に身柄を拘束できないように、憲法が「国に好き勝手やらせないぞ」と縛っているのです。 3つ目は「免責特権」です。国会内で行った演説や委員会で行った討論、どの法案に賛成したかなどの発言に責任は問われない、というものです。「あの法案に賛成した○○議員が気に食わない! 処罰するぞ」という事態がまかりとおっては、議員たちは安心して議論ができません。そこで基本的には、国会内では“何を言ってもいい”ということになっているのです。