「米国生まれの米国人」を不法移民として逮捕、丸1日拘束 米フロリダ州

米国生まれで米国の市民権を持つ男性が、フロリダ州の新しい移民法に基づいて「不法滞在の外国人」として逮捕され、丸1日勾留される事態が起きた。男性は17日夜に釈放されたが、逮捕の根拠とされたフロリダ州法には裁判所が一時差し止めを命じていた。 徹底的な移民取り締まりと強制送還を推進するドナルド・トランプ大統領の政策をめぐっては、不当な拘束が相次いでいるとして批判が高まっている。 地元紙マイアミ・ヘラルドによると、20歳のフアン・カルロス・ロペスゴメスは16日、滞在許可証を持たない成人年齢の移民がフロリダ州内に入った場合に不法侵入として軽犯罪に問う新しい州法に基づいて、フロリダ・ハイウェイ・パトロールに逮捕された。 2月に成立したばかりのフロリダ州の不法移民取締法については、連邦判事が執行の一時差し止め命令を出しており、本来ならば逮捕の根拠とはならない。また、ロペスゴメスは米国市民権を有しているにもかかわらず、「不法滞在の外国人」として州不法侵入罪で訴追された。 17日午前、ロペスゴメスは同州レオン郡の裁判所にオンラインで出廷した。地元紙フロリダ・フェニックスによれば、ラショーン・リガンス郡判事はロペスゴメスの出生証明書が正規の書類であることを確認し、州法に基づく軽犯罪での訴追には正当な理由がないと裁定したという。 ところが州検察当局は、米移民・税関捜査局(ICE)からロペスゴメスを48時間の移民拘留下に置くよう正式な要求があったとして、郡判事には釈放を決定する管轄権がないと主張した。 ロペスゴメスは17日夜になって釈放された。移民支援団体「フロリダ移民連合」の広報担当者はX(旧ツイッター)でその事実を報告し、「釈放に向けて情報を拡散し、呼びかけや何らかの支援を行ってくれたすべての人」に感謝の言葉を述べた。

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