横浜 ATMに長時間、何度もチラ見…不正引き出し事件、店員が逮捕に貢献

特殊詐欺事件の「出し子」の逮捕に貢献したとして、神奈川県警加賀町署は23日、横浜市中区のコンビニ「ローソン横浜本町四丁目店」の従業員林娟娟さん(39)と同店の飯森謙治店長(42)に感謝状を贈った。ATMを長時間利用していた男の行動に不信感を抱いた林さんの防犯意識と、その後の110番通報が逮捕に結びついた。 林さんは3月7日午前、レジ近くに設置されているATMを長時間操作している男に気づいた。ATMからエラーを伝える自動音声が聞こえ、こちらを気にしていたのか、チラチラと見てくる。男とは何度か目線も合ったという。 「普通の利用者なら店員の顔は気にしない。怪しいと思った」。店内清掃を装ってATMに近づいたところ、男がメモを取ったり、左のポケットからカードを出し入れしたりする様子が見えた。 何かの犯罪かもしれないが、間違っていたら…。そんな思いもよぎったが、ニュースで知った犯罪の手口だと確信し、同11時5分ごろに「長時間ATMを使用している不審な人がいる」と110番通報した。 駆け付けた署員が男を職務質問したところ、ATMで他人名義のキャッシュカードを使い、現金を引き出していたことが判明。同日、窃盗容疑で逮捕した。 木村一署長から感謝状を受け取った林さんは「警察に通報するかどうかの判断が難しかった。他の仲間にも(今回の経験を)共有したい」と力を込めた。木村署長は「高い防犯意識を持っている。悩んだと思うが、110番通報は遠慮なくしてほしい」と感謝を述べた。

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