社長の給与明細を公開したり、ド派手な入社式をしたり…。お金持ちになるためのメソッドを語ったかと思えば、ニュースや芸能界の裏話も行う。TikTokで話題になっているのは、エクスコムグローバルの西村誠司社長(54)。「イモトのWiFi」のほか、美容医療の「にしたんクリニック」や不妊治療の「にしたんARTクリニック」の運営を支援する。でもなぜ今、社長がTikTok?経緯や思いを聞いた。 ■200再生でも、講演会に置き換えると… ――――TikTokを始めたきっかけを教えてください。 「初めて会った人に『ウィキペディア読んできました』『記事を読んできました』って言われることが多かったんです。いかんせん、文字じゃないですか。TikTokで毎日、自分の考えを発信すると、何百っていう動画のデータベースができる。だったら、ウィキペディアより、TikTokで好きな動画を見てもらった方が、僕の人物像をリアリティをもって想像できる。そう思って昨年7月に始めました」 ――――実際に始めてみていかがですか。 「意見を発信していくことによって、思考を整理できます。自分の発言に責任も生じますし。今、5万人ほどフォロワーいるんです。3月に米大リーグの大谷翔平選手の開幕戦に行ったら、ドームの収容人数が5万人だったんです。こんなに数いるんだ…フォロワーって感動しましたね。継続してやっていると面白いもので、コメントしてくれたり、好きになってくれたりする人は増えます」 「100再生、200再生しか回らなかったって言いますが…。講堂に100人、200人が集まったら、すごい講演会ですよ。100人も自分の意見を聞いてくれて、無料で使えるツールなんてないので。自分の顔を出して公に意見を言うことって、一般の人は怖いと思うんですけど。僕は、普通の何者でもない人ほどやった方がいいと思いますね」 ■お金持ちになっても謙虚な理由 ―――話すネタはどんな風に決めていますか。 「世の中の人がどう反応するかを見られるツールがない。だからある種、自分の発言に対する実験場だと考えていて。本位じゃないけど、こういう論調で述べたらどうなるかを試せる面白さがあると思いますね。気に入っているのは、無許可でリフォームを繰り返して逮捕された『スーパーサラリーマン清水』について話した動画です」 ――――ハゲの魅力についてポジティブに語っている動画も衝撃的でした。 「僕はコンプレックスに思っていないですが。動画を投稿すると、必ずそういうコメントがあるっていうことは、いじりやすいポイントです。だったら、最大限にそれを使った方がいい。むしろアメリカだったらもてるじゃ~ん、みたいな(笑)前向きなんです。発想の転換で、どう捉えていくかですね」 ――――動画を見ていると、お金持ちにも関わらず、謙虚な姿勢が印象的です。 「別に地球の果てまでいったら自分のことは誰も知らないだろうし、日本の総理大臣ですら、他の国にいったら何者でもないやつと変わらない。てなった時に、自分が偉いわけではない。年を重なるにつれて、自分は何者でもない大した人間じゃないって思うのが大事だなと思うんです。実際、僕はどこに行ったって、知らないおじさんですからね(笑)お金を持っているかどうかは、他人からはどうでもいい話で。普通の人と変わらないじゃないですか。そういう姿勢が大事だなと思っています」 (まいどなニュース・山脇 未菜美)