ミャンマーを舞台にした国際的詐欺に絡み、宮城県の高校生の少年(17)を経由地のタイから詐欺拠点のあるミャンマーへ連れ去ったとして、同県警は職業不詳、藤沼登夢(とむ)被告(29)=別の監禁罪などで起訴=を被略取者等所在国外移送の疑いで逮捕状を取った。7日にも逮捕する。捜査関係者への取材でわかった。 少年は、オンラインゲームを通じて知り合った相手から誘われて渡航したとされる。少年はミャンマーの拠点で特殊詐欺の電話をかける「かけ子」をさせられていたといい、県警は、藤沼被告がこうした実行役を集める「リクルーター」とみて調べている。 捜査関係者によると、藤沼被告の逮捕容疑は、1月10日、何者かに誘拐されていた少年をタイから隣国のミャンマーへ連れ去ったというもの。被略取者等所在国外移送は、略取や誘拐された人を実際にいた国から別の国へ移送する刑法の罪で、適用は極めて異例という。