8日午前11時ごろ、東京都立川市錦町3の市立第三小学校で、教員から「2年生のクラスに不審者が入っている」などと110番があった。教職員5人が男性2人から暴行を受けてけがをし、病院に搬送された。いずれも軽傷とみられる。現場に駆け付けた警視庁立川署員が20代と40代の男性2人を暴行容疑で現行犯逮捕した。 関係者によると、今回の暴行事件は、いじめ対応を巡る母親と学校側とのトラブルが背景にあったとみられる。母親は児童が受けたとされるいじめ被害の相談で来校していたという。安全な場所のはずの学校で何が起きたのか。 「不審者が校内に侵入した」。避難訓練が予定されていた8日午前11時の直前、校内に教員の声が響いた。 教室で音楽の授業を受けていた2年生の女子児童(7)は突然、隣の教室の方から教員の叫び声やガラスの割れるような音を聞いた。「誰か殴られているのかな」と驚いた。 その後、担任の指示でクラスメートと一緒に教室の前後2カ所の出入り口に机を移動してバリケードを作った。鍵をかけて待機したが、怖がって泣き出す児童もいた。 侵入した男性2人には教職員が連携して対応した。子どもが体育館に向かって逃げる姿を見て、助けを求める声を聞いた教職員が教室に駆け付け、その後職員室の近くに移動して男性を取り押さえたという。 学校からメールで連絡を受けて集まった保護者は「子どもがどうしているかわからず不安だった。元気な顔を見られて良かった」と胸をなで下ろした。 立川市教育委員会は8日夕に記者会見を開き、児童のためにスクールカウンセラーや心理士を派遣すると説明。飯田芳男教育長は「教職員が複数で不審者に対応し、児童を守れたことに感謝している。児童の心のケアにあたる」と話した。【松本ゆう雅】