女優の麻生久美子が主演を務めるドラマ『魔物』(テレビ朝日系)が、過激な内容で放送を重ねるごとにおもしろくなっている。この『魔物』は、『梨泰院クラス』などのヒット作を制作した韓国・SLLとテレビ朝日が共同制作したドラマだ。麻生が演じる主人公・華陣あやめは、実力がありながらも孤独を抱えて生きている美人女性弁護士。そんなあやめが、殺人事件の容疑者となった源凍也と禁断の愛に落ちるストーリーとなる。魅惑的な容疑者である凍也を塩野瑛久が担当し、美しくも儚い2人の愛を描いているドラマだ。 同作は、4月18日に初回が放送されたが、当初はおとなしめの内容でそこまで注目すべきドラマではなかった。しかし、第2話「愛欲のキムチチゲ」から物語が急展開し、一気に暴力とエロスの渦に巻き込まれるような構成になる。 初回の最後では大学教授・名田奥太郎(佐野史郎)が殺害される事件が発生し、凍也が容疑者として逮捕されてしまう。あやめは、ひょんなことから凍也の弁護を担当することになるのだが、怒涛の勢いで2人は恋に落ちていく。 凍也の知られざる過去と危険な色気に翻弄されるあやめは、ダメだとわかっていながらも一線を越えることに。凍也もまた、あやめに惹かれていき2人は情熱的なキスをして、ついには体を交えることになってしまう。 また、同じく2話では奥太郎の葬式に現れた凍也とあやめに対して、遺族が熱々の「キムチチゲ」をぶっかける強烈なシーンも披露。韓流ドラマ的なベタで大げさな演出となり、SNSでは「キムチチゲ」が盛り上がる一幕もあったほどだ。しかも、その後すぐに欲情した2人がトイレで獣のように愛し合う濡れ場を見せるなど、とにかくカオスな展開が目白押しとなった。 さて、2話で暴走気味の脚本となった『魔物』だが、続く第3話「偽りのサムギョプサル」では、さらに2人の愛はエスカレートする。既婚者である依頼者と肉体関係になったことを悔やみながらも、常に凍也のことを考えてしまうあやめ。一夜限りの過ちだったと凍也に告げるのだが、ここから凍也の猛烈なアプローチが続いていく。結果、またも関係を持ってしまう2人なのだが、最後の最後に大どんでん返しが待っていた。 かわいらしい子犬のようなキャラだった凍也だが、あやめが自分との約束よりも仕事を優先したことに激昂。3話の最後では、甘えてくるあやめの髪の毛を引っ張り、グーパンチのフルスイングで殴るというDVをお見舞いする。コンプラ無視の過激すぎるDVシーンとなったが、さらに凍也があやめの同僚を襲った疑いも浮上し、とんでもないサイコパスだったことが判明する。 ドラマの公式HPでも「不倫、DV、セックス、殺人」が繰り広げられると予告されていたが、3話で濡れ場から壮絶なDVまで怒涛の展開すぎて視聴者は情緒がついていかないほど。今期の春ドラマの中で、もっとも危険度の高いドラマにいまのところなっていると言えるだろう。 ちなみに、同作は性的描写や過激なシーンを、出演者の意向に沿って安全かつ倫理的に撮影するための専門家・インティマシーコーディネーターを採用している。それだけに、今後もかなり過激なシーンが登場することが予想される。