英語のコミュニケーション能力を測る国際テスト「TOEIC」の試験会場に替え玉受験をするために侵入したとして、警視庁野方署は19日、中国籍で京都市左京区吉田橘町の大学院生、王立坤容疑者(27)を建造物侵入容疑で現行犯逮捕したと発表した。 試験の運営法人の記録では、別の中国人留学生2人が王容疑者の顔写真を使って2024年6月と今年3月に受験したことになっており、990点満点のうちいずれも900点以上の高得点だった。警視庁は、王容疑者が替え玉受験を繰り返して報酬を得ていたとみて調べる。 逮捕容疑は18日午後2時50分ごろ、TOEICの試験会場である東京都板橋区の学校に侵入したとしている。運営法人から相談を受けて張り込んでいた警察官が、会場を訪れた王容疑者に事情を聴いたところ、替え玉受験目的だったことを認めたため、逮捕した。容疑を認めているという。 警視庁によると、王容疑者は自身の顔写真が載った別の中国人留学生名義の学生証を所持していた。「東京都内の駅で中国人に渡された」と説明しているという。王容疑者はマスクの下に小型マイクを隠していたといい、警視庁は別の受験者に解答を教えていた可能性もあるとみて調べている。【菅健吾】