「逮捕の根拠が欠如」大川原化工機の社長らによる国賠訴訟 捜査の「違法」を認定

規制対象の噴霧乾燥機を不正輸出したとして外為法違反罪などに問われ、後に起訴が取り消された精密機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の社長らが東京都と国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が東京高裁で28日、言い渡された。太田晃詳(てるよし)裁判長は、社長らの逮捕は「合理的根拠が客観的に欠如していた」などとして違法と認め、国と都に計約1億6600万円の賠償を命じた。 控訴審では、輸出規制に関する経済産業省令の解釈や同社元役員に対する取り調べの適正性などが争点となった。太田裁判長は、噴霧乾燥機が規制対象に当たらない可能性があるとの情報を捜査機関が得ていたのに、追加捜査を行なわず逮捕、起訴に踏み切ったと指摘。「犯罪の嫌疑の成立にかかる判断に基本的な問題があった」とした。 警視庁と東京地検は「判決内容を精査する」とコメントしている。 この訴訟を巡っては1審東京地裁判決が令和5年12月、国と都に計約1億6200万円の賠償を命じ、双方が控訴していた。

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