鈴木宗男参院議員(77=無所属)は29日、国会内で自身が代表を務める「新党大地」の会合に出席し、改選を迎える今夏の参院選出馬について「そう遠くない時期に、鈴木宗男の去就はしっかり決めたい」として、近く判断する考えを示した。 この日の会合には、1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪となった元プロボクサーの袴田巌さん(89)の姉、ひで子さん(92)が出席し、袴田さんが逮捕から無罪判決を勝ち取るまでの58年間について語った。また、会合に先立ち、宗男氏の仲介で鈴木馨祐法相と面会したことも明かした。 ひで子さんは「こういう方がいないと法相に偶然、会えることもなかった。感謝しています。ぜひ、今度も選挙に出てください」と述べ、宗男氏に直接、参院選の「出馬要請」を行う場面があった。 宗男氏は、現在、再審法の改正に向けて超党派の議員の1人として取り組んでいることを説明し「取り調べの可視化、人質司法はなくさないといけない」と主張。自身はあっせん収賄罪で逮捕されたが一貫して無罪を主張し、最高裁まで戦った。その経緯に触れながら「つくられた事件で逮捕され、437日拘置された。突っぱねたら逮捕される。こんなおかしな話はない。突っぱねたからこそ今があるが、なかなかそんなに頑張れる人はいない。法改正は必要で、ぜひともみなさんの支援が必要だ」と参加者に呼びかけた。 その上で「(ひで子さんから)『(参院選に)出るべし』という、ありがたいお話をいただいたので、今の声を十字架だと思って、しっかり受け止め、周囲とよく相談して、そう遠くない時期に鈴木宗男の去就はしっかり決めたい」と明言した。 「鈴木宗男の集大成の戦いは、どこかでしないといけないと思っている」とも述べ、出馬への意欲もにじませた。 宗男氏は衆院で8回当選を重ね、前回の参院選比例代表に日本維新の会から出馬し、初めて参院議員となった。その後、維新を離党し現在は無所属で活動している。