イスラエルによるガザ攻撃から600日を迎えた28日、パレスチナのガザ地区でイスラエルの封鎖により飢餓に苦しむ住民たちが国連の食糧倉庫に押しかけ、少なくとも4人が死亡した。残酷な状況が続いているが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は自画自賛する演説をおこなっている。 ガザ地区の保健省は28日、中部のデイル・アル・バラにある国連世界食糧計画(WFP)のガファリ倉庫に飢えた住民数百人が殺到し、少なくとも4人が死亡したと発表した。この日は、2023年にイスラム武装組織ハマスのイスラエル奇襲攻撃をきっかけにガザ戦争が勃発して600日になる日だ。2人は圧死で死亡し、2人は銃で撃たれて死亡した。ただ、誰が発砲したのか定かではない。飢えた住民の一部はWFPの倉庫から食糧を略奪した。 これに先立つ前日の27日、イスラエル主導の団体「ガザ人道主義財団」(GHF)がガザ地区で救援物資を配給する中でも、少なくとも1人が死亡し48人が負傷した。イスラエル軍が射撃を加えて死亡者と負傷者が出たが、イスラエル軍は建物周辺に警告射撃をしただけだと主張。GHFは、イスラエルが国連機関のガザ地区への救援物資配給を阻止するために設立した団体で、この日が初めての配給日だった。 このようなことが起きた背景には、イスラエルのガザ地区封鎖がある。イスラエルは今年3月以降、ガザ地区の全ての人道支援物資の進入を止める封鎖を行い、最近緩和したが、住民は深刻な飢餓の危機に直面している。 ネタニヤフ首相はガザ戦争600日を迎えての演説で、ハマス幹部の死亡に触れ、「我々は中東の姿を変えた。我々の領土からテロリストを追い出した」と述べた。ガザ地区で救援物資を求めて住民たちが死亡した事件については「しばらく統制力を失ったが、再び統制できる」と主張した。 国連中東和平プロセスのシフリット・カーフ特別補佐官権限代行は、この日米ニューヨークの国連本部で開かれた安全保障理事会(安保理)会議で、ガザ地区の住民の飢餓危機について、「船が沈没しているのに救命ボート一つだけが渡された状況」だとし、「これは人為的な災いであり、死が彼らの同伴者となっている」と批判した。 一方、イスラエルのテルアビブではこの日、数千人の市民がガザ戦争終結と人質交渉の再開を求めるデモを繰り広げた。与党のリクード党本部に進入した人々のうち62人が警察に逮捕された。一部は階段の欄干に体を縛り、また別のデモ隊は建物に「イスラエル駐在カタール大使館」という文字を書き、ネタニヤフ首相の補佐官らがカタールから巨額を受け取ったという「カタール・ゲート」疑惑を強調した。 チェ・ウリ記者 (お問い合わせ [email protected])