「子どもを守る最後の砦」とされる「赤ちゃんポスト」。大阪府泉佐野市が国内で3例目となる設置を目指すことを明らかにしました。 泉佐野市・千代松大耕 市長 「生まれてきた赤ちゃんの命を守っていく、“最後の砦”である赤ちゃんポストの設置は、子どもを安全・安心なもとで成長をとげてもらうという意味においては、極めて重要な施策と考えました」 泉佐野市の千代松市長は、国内で3例目となる「赤ちゃんポスト」の設置を目指すことを明らかにしました。 熊本県にある慈恵病院が18年前に全国で初めて設置した、赤ちゃんポスト。親が、育てられない子どもを匿名で託せるもので、2021年からは病院の担当者にのみ身元を明かして子供を産める「内密出産」も受け入れています。今年3月には東京都の賛育会病院でも運用が始まっています。 子供を育てられず放置するなどの例は毎年、後を絶ちません。 5月10日には京都府長岡京市のマンションの植え込みに、へその緒が付いた生後間もない男の子が放置されていたほか、東京都江戸川区の公園のトイレに生後間もない赤ちゃんが、放置された例も。遺棄したとして逮捕された母親は「シングルマザーで生活が苦しく育てられないと思った」と話しています。 赤ちゃんポストなどの導入を2年前から検討してきたという泉佐野市は、先行事例を調査する費用、約800万円を盛り込んだ補正予算案を6月議会に提出。今後、連携する医療機関を決定し、来年度に行政主導で進めるのは初めてと見られる設置を目指します。 これまでに関西の親からも10人以上の子供を受け入れてきた、熊本の慈恵病院は…。 慈恵病院・蓮田健 院長 「大阪という大都市にゆりかご、赤ちゃんポスト、内密出産が出来るのはありがたい。やはり、熊本までは距離がありますので」 (Q:今後、泉佐野市から視察があると思うが?) 「それは大歓迎です。徹底的に情報を取り入れていただきたい」 街の人は… 「(赤ちゃんポストなどが)あるとないとで色々問題はあるかもしれないけど、それで助かる命があるなら選択肢のひとつとして」 「虐待にからむようなことがあれば、そういうところに預けた方が安全だと思うし、その子の将来のためだと思うので」 「泉佐野市など(行政側)が、失われる命のため動くことは非常に評価すべき」 “最後の砦”が全国に広がるきっかけになるのか、注目が集まります。