岩井俊二監督の長編デビュー作となった映画『Love Letter』は、2025年4月、公開30周年を記念して4Kリマスター版としてリバイバル上映された。同作は当時、「地下鉄サリン事件」から5日後に公開され、物語の舞台のひとつは「阪神・淡路大震災」が起こった神戸であった。 1990年生まれの文筆家・折田侑駿による新連載「割れた窓のむこうに」では、特定の作品を通して見えてくる“社会”的な物事を見つめていく。第1回では岩井監督への取材をもとに、ひとつの時代の転換点になった“1995年”について考察する。 ※本稿は、映画『Love Letter』のストーリーの詳細に触れています。未見の方はご注意ください。