北海道函館市で、83歳の父親が死亡していると知りながら、遺体を自宅に放置していたとして、同居する52歳と47歳の息子が逮捕されました。 遺体遺棄の疑いで逮捕されたのは、函館市美原1丁目のとび職、工藤正昭容疑者(52)と、弟で無職の工藤隆昭容疑者(47)です。 警察によりますと、2人は5月ごろから6月2日までの間、同じアパートで暮らす父親の工藤幸美さん(83)が死亡していると知りながら、自宅の一室で遺体を放置していた疑いが持たれています。 2日午後2時35分ごろ、函館市の福祉施設の職員から「本日午後5時半ごろ、安否確認に行くので警察も同行してほしい」と警察が相談を受けました。 その後、警察官が施設職員らと現場を確認したところ、2階建てアパートの一室で、布団をかけられた状態の工藤幸美さんが死亡した状態で発見されました。 遺体発見時、正昭容疑者(52)と隆昭容疑者(47)は自宅にいて、警察が事情を聞いたところ、容疑が固まったとして、2人を逮捕しました。 警察の取り調べに対し、兄の工藤正昭容疑者(52)は「葬式のお金が貯まるまでは、父さんをそのままにしておこうと思いました」と供述。 弟の工藤隆昭容疑者(47)は、「葬儀代のお金がなかったので、父の遺体を家に放置していました」などと話し、2人は容疑を認めているということです。 遺体に目立った外傷はないものの、少なくとも死後、数日が経過しているとみられています。 警察は届出をしなかった経緯を調べるとともに、死因についても今後の解剖で明らかにする方針です。