香港警察は6月3日に、マカオ、マレーシア、モルディブ、シンガポール、韓国、タイの警察当局と合同会見を開き、4月28日から5月28日までの間、越境詐欺犯罪を撲滅するため、詐欺対策越境協力コンソーシアム「FRONTIER+」の第1回共同作戦を実施し、大きな成果を挙げたと発表。 香港警察によると、約1ヶ月にわたる作戦で、7つの法執行機関の2700人以上の法執行官が多数の越境詐欺ネットワークの特定と解体に成功。オンラインショッピング詐欺、電話詐欺(政府関係者へのなりすましやカスタマーサービス詐欺など)、投資詐欺、不動産賃貸詐欺、求職詐欺など9268件の詐欺事案に関連して、合計1858人(14〜81歳)を逮捕し、その被害総額は2億2500万米ドル(日本円換算:約324億円)に上ったとのこと。また、3万2607個の銀行口座を凍結、約2000万米ドル(約29億円)の詐欺資金を阻止し、犯罪資金の流れを効果的に遮断したという。 香港警察では、詐欺の傾向は各地で類似性が確認されているといい、例えば香港で2024年にカスタマーサービス詐欺が横行し、対策を講じたことにより2025年には大幅減となったが、逆にシンガポールとマカオでは同様の詐欺が2025年に出現し始めており、詐欺シンジケートへの対処において、ボーダーを超えた協力と情報交換が不可欠であるとした。 FRONTIER+は2024年10月に各地の詐欺対策センターの協力により設立され、現在までにオーストラリア、カナダ、香港特別行政区、インドネシア、マカオ特別行政区、マレーシア、モルディブ、シンガポール、韓国、タイの10カ国・地域のメンバーで構成。詐欺、サイバー関連犯罪、マネーロンダリング犯罪へ対処するため、メンバー間で情報交換及び連携を強化しているとのこと。 なお、マカオ司法警察局は合同会見で、今回の共同作戦について、マカオにおける詐欺事案の摘発件数は78件、被害額は1200万パタカ(約2.1億円)で、拘留が9人、銀行口座8個のと犯罪資金6万7000パタカ(約119万円)を凍結したことを明らかにした。