「やっと…」都と国が上告断念し謝罪も 『大川原化工機』めぐる冤罪事件

機械メーカー『大川原化工機』に対する警視庁公安部と検察の捜査の違法性を認めた東京高裁の判決をめぐり、東京都と国は上告を断念し、謝罪しました。 大川原化工機 大川原正明社長 「断念したというよりも謝罪をすると聞いたときに、やっと『謝罪』という言葉が出てくれた」 大川原化工機 島田順司元取締役 「強制捜査が入ったのは、2018年10月3日です。それから7年。ずっと何か心の中に晴れないものがありました。きょう、やっとそれが、すべて晴れた」 民事裁判では、3人の警察官が「事件は捏造だった」と証言しました。その証言に対し、被告側は「壮大な虚構」と反論するなど、異例の展開となりました。 大川原化工機 大川原正明社長 「『捜査がおかしかった』と証言をしていただいた3名の警察官、現役の警察官の方がそう言ってくれた。それが大きな力になったんではないかと」 逮捕・起訴の違法性が認定され、損害賠償が確定しました。 警視庁は、副総監をトップとする検証チームを設置し、また、最高検察庁も独自で捜査の問題点を検証するとしています。 今回は、長期勾留の問題も浮き彫りとなりました。 当時、顧問だった相嶋静夫さん。拘置所で胃がんが見つかったものの、保釈は何度も退けられ、起訴が取り消される前に亡くなりました。 大川原化工機 島田順司元取締役 「相嶋さんと約束した『終わったら一杯やりましょう』。その言葉を先ほど実行してきた。お墓の前で一杯やってきた」 亡くなった相嶋さんの長男 「(Q.お父さんに何と伝えたいか)正確に言うと、もう伝えられない。取り返しのつかないことを警視庁がやった。裁判所もそれを追認してきた。その事実は変わらない。生きている人たちが子孫のために、どう社会を変えるか考えるべきだ。たぶん父は、そういうふうに言っている気がする」

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