「日本駆け込み寺」助成金打ち切りで危機…「もっても6月いっぱい」 若者支援どうする?元事務局長がコカイン使用容疑で逮捕の波紋

若者支援団体「日本駆け込み寺」の元事務局長が、コカイン使用容疑で逮捕された。それを受けて、創設者で元代表の玄秀盛氏は「それこそ青天の霹靂(へきれき)。ああ、終わったなと。これで駆け込み寺が」と肩を落とす。 日本駆け込み寺は2002年、新宿・歌舞伎町で前身となる団体が設立された。悩みを抱える子どもたちのために、相談窓口を設けたり、「子ども食堂」などを開催。最近では“トー横キッズ”たちが抱えるDVや多重債務、ストーカーなどの問題にも手を差し伸べてきた公益社団法人だ。 しかし、その存在が根底から否定される事件が起きた。日本駆け込み寺・事務局長(当時)の田中芳秀容疑者が、コカインを使用していたとして逮捕。相談者だった20代女性も、田中容疑者に勧められ使用したとして逮捕された。 日本駆け込み寺は、東京都と新宿区からあわせて約3000万円規模の助成金が出されていたが、今回の事件を受けて、助成されない可能性があるという。新宿区の担当者は「子ども食堂の活動に関する助成金である『新宿子ども未来基金』を、令和6年度は82万円助成したが、令和7年度に関して助成するのは難しい」としている。 新たに団体を取りまとめることになった、清水葵代表理事に話を聞いた。「まさか、まさかだ。言葉にならない。上長にいたポジションの方が、そういうことをするという困惑の気持ちと、今まで24年間ずっとやってきたことの社会的信用がゼロになったことに対する憤りや怒りがある。なぜしてしまったの?っていう…」。 普段の田中容疑者は「淡々と冷静に、ひとつ一つの相談に対応している方だった。変なテンションの浮き沈みも何もない」と振り返る。コカイン使用には、まったく気づかなかったという。田中容疑者は「夜中の相談事案に対応するため、眠気覚ましのために使用した」と容疑を認めている。 今後について、清水氏は「必死に活動資金を募ってはいるが、正直ここの駆け込み寺がもっても6月いっぱい。7月には30万円程度しか口座に残らないのが事実だ」と語った。 東京都は取材に対し、新年度の助成金については検討すると回答している。こうした状況に清水氏は「なんとか頑張って持ちこたえたいが、どうなるかわからない」と吐露した。 今後、活動が停止となると悩みを抱える子どもたちは、どこに駆け込めばよいのか──。 創設者である玄元代表は「大きなダムも、アリの一穴。また日本独特の連座制だ」と語った。 (『ABEMA的ニュースショー』より)

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