建設会社の事務所内で男性を包丁で刺したとして、兵庫県警生田署は17日、殺人未遂の疑いで神戸市須磨区横尾の無職、雑賀三郎容疑者(76)を逮捕した。同署によると「返金に応じず、(相手が)向かってきたので包丁で刺した」と容疑を認めている。 逮捕容疑は17日午前11時25分ごろ、神戸市中央区多聞通の建設会社事務所内で同社役員の男性の背中や腹を包丁で刺し、殺害しようとしたとしている。男性は、救急搬送されたが、命に別条はないという。 同署によると、雑賀容疑者は今年3月までこの建設会社に勤務していたとみられ、親睦会費の積立金を返金するよう求め同社を訪れていたという。 同社従業員の男性が110番。警察官が現場に駆け付けた時には雑賀容疑者は車で逃走していたが、その後、県警長田署に出頭したという。生田署が詳しい経緯を調べている。 現場は、JR神戸駅の西約100メートルのオフィスビルなどが立ち並ぶ一角。現場付近は規制線が貼られるなど一時騒然とした。 事務所が入るビルの歯科医院を利用していた男性会社員(73)は「警察官が何人もいて、何事かと思った。普段利用する場所で(事件が)起き、とても怖い」と青ざめた表情で語った。