自転車用「電動改造キット」急増? 設置わずか60秒で時速32km──天使か悪魔か? 事故リスクの現実を考える

かつてのホンダは、自転車に取り付ける外付けモーターの開発・販売からスタートした。終戦直後のことだ。この取り組みが、同社を「動くものをつくる企業」として際立たせるきっかけとなった。 やがて、モーターの出力が上がると、自転車のフレームがその負荷に耐えられなくなった。そこで、フレーム自体を再設計する必要が生じた。振動対策として、サスペンションの導入も不可欠となった。こうした改良を段階的に積み重ねることで、ホンダは二輪車メーカーとしての地位を確立していく。 ときは流れ、エンジンはガソリンから電気へと主役を変えた。電動モーターは、日常使いに耐える性能を手に入れた。そして今、既存の自転車を生まれ変わらせる奇跡の外付けユニットとして再び注目されている。 だが、この動きにはリスクもある。技術の進化と並行して、安全性や制度設計が追いついていない現実がある。注目の裏には、常に危うさが潜んでいる。

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