インプラント治療を巡り、現金をだまし取った疑いで歯科医院長だった男が逮捕されました。 健康な歯が抜かれる被害も出ていて、怒りの声が上がっています。 仮歯が割れてしまった奥歯。 高額なインプラント治療を受けた女性の治療途中の写真。 その後、治療が行われることがなく、口の中がボロボロになったと女性は訴えています。 このずさんな治療を施していた歯科医院の院長が摘発されました。 うつむいたまま警察署に入るマスク姿の男は、詐欺の疑いで逮捕された歯科医院「高橋デンタルオフィス」の院長・高橋仁一容疑者(58)です。 番組に治療途中の写真を提供した女性は、「奥さんはインプラントが必要な歯が4本あると突然言われて、1本40万と聞いていたので、4本だと160万もかかってしまうから、もう頭が真っ白になって、そんな金額出せませんと言ったが、150万出してくれれば、インプラント後のメンテナンスも今後(お金が)かからないようにすることができると言われお願いした」と訴えます。 それが、まさかの事態の始まりとなりました。 被害女性: 結果目が覚めたら5本抜かれていて、5本歯がなくなった上、ネジがそのままむき出しの状態であったり、あとはプラスチックのかぶせものをしてくれたが、それもすぐに割れたりとかして、永遠に治療が終わらない状態。 今回の高橋容疑者の逮捕容疑は2021年3月、インプラント治療を申し込んだ女性患者(当時55)に講演会の協力金などと称して、「治療費と同額の現金をインプラントメーカーに提供すれば、後日、メーカーから治療費が返ってくる」などと嘘をつき、現金200万円をだまし取った疑い。 被害総額は、1億円を超えるとみられています。 そして、先ほどの女性も嘘の講演会の協力金話を持ち掛けられたといいます。 被害女性: インプラントメーカーが私たちの治療費を全額出すと言ってきたので、すごく魅力的というか、そんなことがあるのかと思いつつも貯金を切り崩し、定期とか解約してかき集めて払い込んでしまった。 女性は250万円を高橋容疑者に支払いましたが、お金が返ってくることはありませんでした。 被害女性: 何かいろんな理由をつけては逃げて逃げて全然一切お金を返してこないっていう状態でした。 高橋容疑者は逮捕後、「弁護士と話をするまでは黙秘します」と話し、警察の調べに応じていません。 関係者によると、高橋容疑者の歯科医院は2024年6月、約17億円の負債を抱え破産したということです。 警察は、負債が膨らみ自転車操業になっていたとみて慎重に調べを進める方針です。