[北京 26日 ロイター] – 中国は過去1週間に麻薬対策を強化する措置を講じた。合成麻薬フェンタニルの取り締まり強化を求める米国の要求に対応した可能性がある。 トランプ米大統領は2月、フェンタニルの原料となる化学物質の流入を中国が抑制できていないとして、中国からの輸入品に20%の関税を課した。 中国公安省は26日、「ある国」が「フェンタニル問題で中国に対し意図的に不当な攻撃を仕掛けた」と非難し、米国を暗に批判した。 しかし、中国政府は20日、2つの前駆物質を来月20日から規制対象化学物質に追加すると発表した。関係筋によると、両物質はフェンタニル問題の解決に不可欠と考えられているため、20%の関税が最終的に撤廃される可能性に期待が高まっているという。 この前日の19日には、米国のパデュー駐中国大使が北京で中国の王小洪公安相と異例の会談を実施。中国側の声明によると、王氏は薬物規制で米国と協力する意向を伝えた。 国営メディアは26日、中国入管当局が今年これまでに2.42トンの薬物を押収し、密輸容疑で262人を逮捕したと報道。 また中国当局は25日、麻薬取引に絡むマネーロンダリング(資金洗浄)の罪で今年1─5月に全国で1300人以上を起訴し、さらに700人以上を逮捕したと発表した。