ロス暴動を国軍で鎮圧!! 民が「NO KINGS!」と叫ぶも、大規模な軍事パレードで"トランプ王"はご満悦! この先に待つのは「アメリカ版天安門事件」か!?

「アメリカ最大の脅威は、国内に潜む"内なる敵"だ」と語ってきたトランプが、不法移民を標的に唐突な摘発を展開。さらに、自身の誕生日には時代錯誤の軍事パレード。それに対するデモは当然弾圧。これは"王政"の始まりか? * * * ■不法移民のほうが犯罪率が低い 米カリフォルニア州ロサンゼルスで起きた「ロス暴動」。「1日当たり3000人の不法移民逮捕」を目標に掲げるトランプ政権の下、アメリカ移民税関捜査局(ICE)がロサンゼルスなどを中心に大規模な〝不法移民狩り〟を展開。 その過激な取り締まりに抗議する運動が起こり、一部が暴徒化。ロサンゼルス市内には夜間外出禁止令が敷かれ、トランプ大統領は計4000人のカリフォルニア州兵と海兵隊700人の派遣を命じた。政権の強硬政策に反発する市民運動に対し、軍隊が鎮圧に乗り出すという異例の事態となったのだ。 「不法移民はどんどん捕まえて送り返せ――というのは、第1次トランプ政権から続く主要な政策のひとつ。そして、その主な実行役となっているのがICEです」と語るのは、アメリカ在住の作家でジャーナリストの冷泉彰彦氏だ。 「ただし、〝不法〟といっても滞在許可証を持っていないというだけで、現実には米国社会を支える貴重な労働力となっており、全米で約1300万人の不法移民がいると推計されています。 そのため、今回のカリフォルニア州も含め、多くの州が不法移民の存在を黙認してきましたし、アメリカで生まれた彼らの子供たちが自動的に米国籍を得ることも当然視されていました。そもそもアメリカの歴史は、そうした移民たちによって支えられてきましたから」 ところが、6月に入るとICEがカリフォルニア州で集中的な摘発に乗り出す。 「メキシコ系の移民が多く働く農場や、ロサンゼルス近郊のホームセンターなどに捜査官が踏み込み、さらに移民の子供たちが通う学校や病院にまで立ち入って一斉に摘発を始めたため、あまりに苛烈なその手法に市民の怒りが噴出したのです」 ちなみに今回、ロサンゼルスでの抗議運動の参加者の大半は、不法移民ではなく、メキシコ系を中心とした合法移民や、トランプ政権の移民政策に反対する一般市民たちだった。 「不法移民を『外国から来た犯罪者』呼ばわりするトランプですが、実は不法移民の犯罪率はアメリカ人の犯罪率と比べてかなり低い。 その理由は簡単で、不法移民は仮に微罪でも捕まれば本国に送還されかねないので、できるだけトラブルを起こさないよう真面目に暮らしている人が圧倒的に多いから。 また、今回ロサンゼルスなどで起きたデモも、一部で警官隊との衝突や車への放火、略奪行為が起きたとはいえ、基本的には平和的な抗議活動が中心で、『暴動』と呼ぶには程遠く、地元のロス市警だけで十分に対応可能な状況だったといわれています。 それにもかかわらず、トランプ大統領はカリフォルニア州のニューサム知事からの要請もないのに州兵と海兵隊を投入しました。幸い大規模な衝突には至りませんでしたが、政府による一方的な軍の動員に対しては、アメリカ中で強い反発が起きました」

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