旅先でオービス「ピカッ!」後日通知が来ても「他県の違反ならバレない」は通用しない? どうなる

路上に設置されている自動速度違反取締装置、いわゆる「オービス」は、悪質なスピード違反車両を自動で撮影する装置です。この装置に撮影されると、後日、「呼出状」または「連絡票」と記載された出頭通知書が届きます。通知が届いた場合、基本的には撮影場所を管轄する警察署に出頭する必要があります。 では、これが沖縄県や北海道など旅先での違反で、居住地から遠く離れた場所だった場合はどうなるのでしょうか。 結論から言えば、遠方でオービスに撮影され、出頭通知が届いた場合でも、原則として現地の警察署に出頭する必要があります。ただし、距離があまりにも遠くて出頭が困難な場合は、出頭先の変更が認められるケースもあります。 出頭先を変更したい場合は、通知書を送付してきた警察署に連絡し、「遠方のため出頭が難しい」と伝えてください。状況によっては、自宅から近い最寄りの警察署で手続きを行えるよう調整してもらえる場合があります。 では、「他県での違反だから大丈夫だろう」と考え、意図的に出頭を無視した場合はどうなるのでしょうか。 反則金や罰金を支払わず、また出頭要請にも応じなかった場合、当局は「反則金制度による処理を放棄した」とみなし、違反者を道路交通法違反の容疑者として正式な刑事手続きに移行させます。そうなると、ある日突然、警察官が自宅に訪れ、逮捕状を提示した上で逮捕されることもあり得ます。 逮捕された場合は、まず警察による取り調べを受け、その後検察に送致されて事情聴取を受けます。そして裁判所に送致され、刑事裁判が行われる流れになります。判決で有罪となれば、罰金刑以上の刑罰が科されます。もっとも、科される罰金の額は、通常の違反金と大きくは変わらないケースが多いようです。 ただし、判決が下るまでの間、警察署の留置場や法務省が管轄する拘置施設に収容されることもあります。なお、この対応は、赤切符に限った話ではありません。より軽微とされる青切符で処理された違反でも、出頭しないまま放置すれば同様に逮捕される可能性があります。 ちなみに、東京都を管轄する警視庁では、毎年6月と11月を「交通違反長期未出頭の追跡捜査強化月間」としており、この期間中に未出頭者の追跡・逮捕を重点的に実施しています。実際、朝日新聞などの報道によると、2024年6月にはこの追跡捜査で292人が逮捕されましたが、そのうち赤切符の対象者はわずか20人。残りの大多数は青切符違反者でした。 オービスに撮影された場合、ほとんどのケースでは10万円以下の罰金や免許停止処分で済むことが多いです。そう考えると、出頭して手続きに応じることのほうが、「その程度で済む」といえるのかもしれません。

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