《ブラジル》17歳少年が3千万レ!窃盗=高級マンションに易々と侵入

17歳の少年による、大胆にも高級住宅地を狙った一連の窃盗事件が世間を震撼させている。ブランド品に身を包み、まるで馴染みのある住人の一人やその家族のように振る舞い、門番を巧みに欺いて次々と高級マンションに侵入。被害総額は3千万レアル(約8億円)を超える。若年ながらもプロ窃盗犯に匹敵する手際で犯行を繰り返し、広範囲にわたる犯行ネットワークの一端を担っていたとされる。グローボ局のテレビ番組「ファンタスチコ」が6月28日に報じた。 容疑者の少年は6月17日に逮捕された。高級マンションに一人で住み、高級車を保有し、盗んだ金の一部は窃盗品の処分を手助けする仲介者に渡されていたという。少年は13歳の頃から犯行を開始し、ここ数カ月間で少なくとも40件の高級マンションへの侵入に関与したとみられる。 警察によれば、侵入時は高級ブランドの衣服やアクセサリー、ヘッドホンを身につけ、落ち着いた態度で堂々と行動。まるで住人であるかのように自然に建物に入り込み、門番の目をすり抜けていた。 防犯カメラの映像には、少年が自信に満ちた様子で門に近づき、住人の出入りに便乗して建物内に侵入する様子が捉えられている。門番に対しては住人の親戚や知人を装い、親しげに手を振るなどして警戒心を和らげるなど、複数の手段で身分を偽装していた。 カツラや、ユダヤ教徒の男性がかぶる帽子「キッパ」等の宗教的シンボルを使って変装し、門番らを脅すことさえあったという。少年は監視カメラの存在を把握し、それを意に介する様子もなく犯行を繰り返していた。 捜査を指揮したファビオ・サンシェス・サンドリン警部は「彼の外見が犯行を容易にしていた。上品な印象を与え、非常に社交的。イヤホンをしてリラックスした様子で無害そう。まるで金持ちの子息のようだった」と語る。 警察によれば、少年は侵入先の建物構造や住戸配置に精通し、貴重品のある場所を的確に把握していた。証言によれば、持ち去る物も選別しており、宝石類や現金、高級時計など換金性の高いものを中心に盗み、大型の電子機器などには手をつけなかったという。 犯行は主に単独で行われていたが、一部では共犯者と連携していたとみられる。窃取された物品にはバッグ、宝石、時計、ドルやユーロといった外国通貨、現金入りの金庫などが含まれていた。 少年は過去に有名医師の自宅に侵入し、約300万レアル相当の宝石や高級時計を盗んだとして14歳で逮捕された経歴を持つ。少年院で1年9カ月服役した後、釈放されて再び犯行を開始。 特に注目された犯行の一つとして、ボルソナロ前大統領の広報担当だったファビオ・ワインガルテン氏の自宅マンションに、偽名および偽の親族関係を用いて侵入を試みた事例が挙げられる。このときは未遂に終わったが、犯行の大胆さが浮き彫りになった。 捜査の結果、少年はサンパウロ州のみならず、リオ州、パラナ州、南大河州、ゴイアス州、麻州でも同様の手口で犯行を重ねていたことが判明。今年初旬にはパラナ州のフォス・ド・イグアスで600万レアル相当の現金と宝石が盗まれており、警察は全国的な組織犯罪との関係性も含めて捜査を進めている。 この逮捕により、少年は21歳までは矯正施設に収容される見込みだ。

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