女子児童をわいせつ目的で誘拐、監禁したとして逮捕された小学校教諭の男は、女子児童を教室に誘い出したことが分かりました。教員による「わいせつ」はなぜ後を絶たないのでしょうか。 広島地検に身柄を送られた広島市立の小学校教諭、中島健夫容疑者。6月27日の朝、10歳未満の女子児童に対し、手で目を覆うなどして監禁。下半身を露出してわいせつな行為をしようとした疑いです。警察によると、中島容疑者は事件当時女子児童に「待っといて」と声をかけ無人の教室へ誘い出したことが新たにわかりました。 後を絶たない教職員によるわいせつ行為。広島市教委はおととしから全教職員に「わいせつ防止リーフレット」を配布しています。禁止行為としてSNSによる私的なやりとりや今回の事案と同じように密室で1対1で対応することなどが記載されています。 ■広島市教育委員会 宅見雄二 学校教育部長 「それ(わいせつ行為)をなんとか根絶しようと取り組んでいますが結果としてこういった事案になって大変残念に思っています」 リーフレットには「わいせつ行為をした場合はすべて免職」と書かれています。 ■広島市教育委員会 宅見 雄二 学校教育部長 「今回のケースでどういった対応ができていたのかまた考えて学校と共に(わいせつ防止に)取り組んでいきたいと考えています」 専門家は、今回のように見つかる被害は氷山の一角だと指摘します。 ■日本こどもの安全教育総合研究所 宮田美恵子 理事長 「(学校という)特別な場所で起こるわけないという先入観。一方では、起こらないから対策を取らないので、やりたい人には都合のいい場所です。温床になっている可能性があるので、ものすごく隠れている被害があるんじゃないかと思います」 警察は、同様の被害があるとみて中島容疑者からスマホを押収し、解析を進めています。 また、事件のあった小学校では3日に保護者説明会を開き、児童への心のケアなどについて説明する予定です。 学校での被害はどうすれば防げるのか。子どもの安全教育に取り組む専門家は、「学校は安全」という先入観があると指摘します。そのうえで、「子どもへの対応」と、「学校での対策」それぞれに取り組むべきとしています。 子どもには、被害は学校を含む"どこでも"起こりうると日ごろから教えることが大切です。そして、被害に遭っても、「拒否するのは悪いことじゃない」と伝えてほしいとしています。 続いて、学校では"見せる"対策が効果的だといいます。例えば、複数の教員がチームを組んで校内を見回るなどです。また、校内への防犯カメラの設置についても、検討すべき時期なのではないかとしています。 【2025年7月2日放送】