東京都新宿区新宿のマンションの浴室で職業不詳成瀬壮一郎さん(35)の遺体が見つかった事件で、現場から塩素系の洗剤が見つかり、床を拭き取ったような跡もあったことが11日、捜査関係者への取材で分かった。 警視庁捜査1課は死体遺棄容疑で逮捕された、いずれも職業不詳の北誠一(30)、梨本俊弘(31)両容疑者が証拠隠滅を図ったとみている。 捜査関係者によると、現場となった1Kのマンション内には液体の塩素系漂白剤が残され、居室スペースの床には血痕などを拭き取ったような跡があった。成瀬さんは頭部を鈍器のようなもので複数回殴られて死亡したとみられ、遺体の頭部にはポリ袋がかぶせられていた。 同課によると、両容疑者は地元が同じ友人で、梨本容疑者は「北容疑者から部屋の片付けを手伝ってほしいと頼まれ、断れなかった」と供述している。防犯カメラの映像から、2人は6月24日にさいたま市内の量販店で段ボールやブルーシートを購入した後、マンションに出入りしていたことが判明。同27日も新宿区内でマスクを買った後、マンションを訪れていた。同課は24日までに成瀬さんが死亡したとみている。 北容疑者は成瀬さんらと共同でアダルトビデオ(AV)の撮影や風俗関係の事業をしており、梨本容疑者は成瀬さんと面識はなかったとみられる。同課は2人が成瀬さんの死亡の経緯も知っているとみて、詳しい状況を調べている。