マーベルが『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』のメインヴィランをカーンから変更する決定をしたことについて、ケヴィン・ファイギが語った。それによると、MCUのレジェンドであるロバート・ダウニー・Jr.をドクター・ドゥーム役に起用する交渉はジョナサン・メジャースの降板前に始まっていたということだ。 The Hollywood Reporterが参加したインタビューで、ファイギは、カーンからの変更は「あの俳優に関する問題が起こる前から」すでに始まっていたと語り、最終的に2023年12月に暴行罪で有罪判決を受け、マーベルから契約を解除されたメジャーズの法的トラブルに言及した。 ファイギはメジャースの名前を挙げることはせず、あの「俳優」の降板だけがシリーズの制作上の変更のきっかけではないと述べた。実際、「アイアンマン」のスター、ロバート・ダウニー・Jr.をドクター・ドゥーム役で復帰させるという話し合いは、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の公開前から始まっていたという。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』はシリーズのなかでは残念な結果となった作品だったが、かなりカーンに焦点が当てられていた。 「あの俳優に何か起こる前から、私たちはすでに始めていました」とファイギは語った。「カーンはサノスほど強大ではなく、サノスとは違うということに気づき始めていました。あのようになれるキャラクターはひとりしかいなかったのです。コミックでは何十年もの間、彼はそうだったからです」 「フォックスによる買収のおかげで、私たちはついに得ることができました。ドクター・ドゥームを。ですから、カーンから正式に変更する前から、ドクター・ドゥームについての話を始めていたのです」とファイギは続けた。 「実際、『アントマン』の3作目が公開される前から、ロバート(・ダウニー・Jr.)とこの大胆なアイデアについて話し合っていました。私たちの最高のキャラクターのひとりを登場させ、それに最高の俳優のひとりを起用するという、長きにわたる計画でした」 ここで語られているできごとの順序について少しふり返ってみよう。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は2023年2月に公開されたが、これはメジャースが暴行とハラスメントの容疑で逮捕される1か月前のことだった。この時点では、「アベンジャーズ」の次作はまだ『Avengers: The Kang Dynasty(原題)』というタイトルになっており、「クアントマニア」はマーベルの次なるサノス級のヴィランが登場する重要な作品だと公開直前にも宣伝されていた。 つまり、ファイギが言っているのは、メイジャースが逮捕される前、そして、「クアントマニア」にこのキャラクターが大々的に登場するのを観客が目にするよりも前から、すでに舞台裏ではカーンの地位が疑問視されていたということだ 。 ファイギは、ドクター・ドゥームを登場させるというアイデアはこの時点でかなり進んでおり、すでにダウニー・Jr.と話し合いをしていたと述べている 。 しかし、カーンの代わりにドゥームを登場させるという話が出たのはいつなのか、正確な時期は定かではない 。 メイジャースのマーベルでのキャリアがこれほど突然の終わりを迎えていなかったら、ドゥームへの変更と「アベンジャーズ」次作の「ドゥームズデイ」への改題はここまで迅速に行われただろうか? 2023年、メジャースが裁判の結果を待っている間、マーベルが次の「エンドゲーム」的作品のヴィランとしてドクター・ドゥームに注目しており、「クアントマニア」の興行成績不振を受けて、メジャースの役は格下げされたものの、完全に削除されたわけではない、といったことを示唆する複数の報道が出ていた 。 2024年7月のサンディエゴ・コミコンで初めてマーベルは新たな計画を発表した 。 タイトルは『Avengers: The Kang Dynasty』から『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』に変更され、ダウニー・Jr.がドクター・ドゥームとして登場、ルッソ兄弟が『ドゥームズデイ』とその後の『Avengers: Secret Wars(原題)』の2作品を監督することが明らかになった 。 MCUにおけるカーンの不在が今後どのように扱われるのか、あるいは、そもそも扱い自体があるのかは依然として不明だ 。 カーンが最後に登場したのはDisney+のドラマシリーズ『ロキ』の最終話 。