米ウォルマートで無差別刺傷事件、買い物客がカートをぶつけて容疑者逮捕に貢献

(CNN) 米中西部ミシガン州トラバースシティにある米小売り大手ウォルマートの店舗で男が折りたたみ式ナイフで「無差別」に人々を刺し、11人が負傷した事件をめぐり、グランドトラバース郡の保安官は、駐車場で容疑者を追い詰め、警察が到着するまで拘束した買い物客を称賛した。 同州在住の容疑者は26日、午後4時10分ごろに店内に入り、35分間店内で待機した後、襲撃に及んだ。被害者は29歳から84歳までで全員生存の見込み。1人は治療を受け退院、2人は重傷、残りの人々の容体は安定しているという。 買い物カートを使って容疑者の動きを止めた2人は、マット・コラコウスキーさん(39)と義理の兄弟のクリス・オブライエンさん。家族旅行でトラバースシティを訪れ、週末の買い出しのためにウォルマートを訪れていた。 店員の慌てた声が聞こえたのはレジで会計をしていた時だった。「男はナイフを持っている!」 数秒後、レジ付近で数人を刺した容疑者が動きを止めていなかったために、店内はパニックに陥った。 元海兵隊員、コラコウスキーさんは、本能が働いたと語る。娘と娘の友人にその場にとどまるよう伝え、オブライエンさんとともに容疑者を追いかけた。 コラコウスキーさんは武器になるようなものは何も持っていなかったが、からの買い物カートをつかんだ。 追いかけているとき、容疑者が逃走しながら別の男性の肩と、高齢女性の背中を刺すのを目撃したという。 駐車場で追いついたコラコウスキーさんはカートを容疑者の足首にぶつけた。さらにカートを持ち上げ、容疑者にたたきつけようとしたが逃げられた。 コラコウスキーさんらは、駐車場の大きな柱や車の間を縫うようにして逃げる男を追いかけた。 「男は自分が兵士だとか、ウォルマートの店員はみんな悪い人間だとか叫んでいた」(コラコウスキーさん) その後、その場に居合わせた別の男性が容疑者に銃を向けた。この人物も海兵隊員で、「射撃場で射撃をしていて、腰から拳銃を取り外し忘れていた」という。 こうして容疑者はようやくナイフを捨てた。コラコウスキーさんは、助けが来るまで容疑者を押さえつけていた。 「駐車場はパニックだった。救急車が来て、ライトに照らされ、サイレンが鳴り響いていた。いたるところに血痕があり、人々が救急車のストレッチャーに乗せられ、運び込まれていった」とコラコウスキーさんは振り返る。 保安官によると、襲撃の動機は不明だが、無差別に行われたとみられる。また、他に容疑者がいる様子はないという。

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