特殊詐欺の被害、過去最悪597億円 「ニセ警察官」深刻 上半期

オレオレ詐欺など特殊詐欺の今年上半期(1~6月)の被害は、暫定値で昨年同期の約1・5倍の1万3213件、被害額は約2・6倍の597億3千万円で、いずれも統計がある2004年以降、上半期としては最悪となった。警察官をかたって捜査名目で現金などをだまし取る「ニセ警察詐欺」の被害が目立つ。警察庁が31日、発表した。 ニセ警察詐欺は、「あなたの携帯電話が犯罪に使われている」などと偽り、LINEなどSNSでやりとりして警察手帳や逮捕状の画像を送るなどした上で「あなたのお金が犯罪に関与しているか判断する」などと言って、口座に現金を振り込ませるなどする。 今年上半期の被害は認知件数が4737件で特殊詐欺全体の35・9%、被害額は389億3千万円で全体の65・2%を占めた。今年1月から統計を取り始めたため昨年同期との比較はできないが、特殊詐欺の被害増の大きな要因となっている。 被害者の年代別では、30代が20・5%と最多で、20代18・7%、40代13・3%などと広く被害に遭っている。うその電話の7割近くがスマートフォンなどの携帯電話にかかっていた。「2時間後からこの電話は使えなくなる」などと、まず自動音声ガイダンスが流れる手口も増えている。1件あたりの被害額は約828万円で、他の特殊詐欺の3倍以上と被害額が多いのも特徴という。 警察庁は「警察がSNSで連絡したり、振り込みなどを求めたりすることは一切ない」として注意を呼びかけている。

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