福井・中3殺害 検察が上告断念を発表 前川さんの再審無罪確定へ

1986年に福井市で中学3年の女子生徒(当時15歳)を殺害したとして、殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(60)を無罪とした名古屋高裁金沢支部のやり直し裁判(再審)について、検察当局は1日、上告を断念すると発表した。上訴権を放棄する方針で、事件から39年を経て前川さんの無罪が確定する。 無罪判決は、事件の捜査に行き詰まっていた警察が「前川さんが犯人だ」と最初に供述した元暴力団組員の情報を頼りに関係者を不当に誘導して、供述を得ようとしたと指摘。こうして集められた関係者の供述はいずれも信用できないとした。 事件は86年3月に、福井市で起きた。中学3年の女子生徒が自宅で死亡しているのが見つかった。逮捕・起訴された前川さんは一貫して事件への関与を否定。1審は無罪だったが、名古屋高裁金沢支部判決(95年2月)が懲役7年の逆転有罪を言い渡して確定した。第2次再審請求審で名古屋高裁金沢支部が2024年10月、再審開始を決定。25年7月18日、無罪判決となり、上告期限は8月1日だった。【丘絢太】

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